奥川 恭伸選手 (星稜)

奥川 恭伸

球歴:星稜

都道府県:石川

ポジション:投手

投打:右 / 右

身長:183.0 cm

体重:82.0 kg

学年:卒業

寸評

 選抜で大きく評価を高めた2年生右腕。スケールさとうまさを兼ね備えた剛腕で、ここ最近でもこれほど総合力が高い高校2年生右腕も記憶にない。順調に伸びれば2019年のドラフト候補となりうる投手だ。最速は147キロまで伸ばすなど、順調にその素質を伸ばしている。  奥川が最も輝いた選抜・近江戦を振り返っていきたい。 試合レポートから抜粋  6回表まで3対0。完全なる近江ペースで進んだ中盤までの流れを一変させたのは星稜の2番手・奥川 恭伸(2年)である。2016年には地元のかほく市立宇ノ気中で第38回全国中学校野球大会初優勝を達成した右腕は、中学時代に培った力配分を心掛けた投球でまるで先発投手のように近江打線へと立ち向かった。  では、彼の投球内容を振り返ってみよう。ストレートは打者によって130キロ前半と130キロ後半を使い分け。130キロ前後のフォークを織り交ぜながら、初戦の松山聖陵戦で13安打8得点を記録した近江打線を4回3分2・72球1安打2奪三振4四死球無失点に封じてみせた。  そして延長10回表二死二塁で2番・中尾 雄斗(3年)を迎えた場面では、この日最速となる最速143キロを計測。ピンチで底力を出せる辺りは並みの2年生ではない。  加えて奥川は打撃でも魅せた。6回裏には無死二・三塁から右前2点適時打を打ち、同点への布石を打つと、延長10回裏二死一塁からは近江の2番手左腕・金城 登耶(3年)の高めへ抜けた変化球を見逃さず。左中間を深々と破るサヨナラ二塁打。となり、投打両面の活躍で、星稜23年ぶりのベスト8を手繰り寄せた。  かくして星稜史上初となるセンバツベスト4進出には絶対に欠かせない存在となった奥川。準々決勝・三重戦(三重)での起用法はリリーフか?それとも先発か?林 和成監督の決断含め注目だ。 (投球フォーム) ランナーがいなくてもセットポジションから始動する。フォームの安定性を意識してのものだろう。左足を胸元の近くまで上げていきながら、まっすぐ立ち。右足の膝は適度に伸ばしてバランスよくたつ。そこから遊撃方向へ足を伸ばすが、奥川は沈み込みが小さく、そのまま左足を伸ばしながら着地する。歩幅は狭く、ひねりを入れるフォームではない。奥川が良いのは上半身の使い方がうまいこと。内回りの旋回をしていきながら、トップに入るまでの過程が無駄がなく、しっかりと肘が上がった状態でリリースに入る。沈み込みが小さく、上背の高さをそのまま生かせる角度のある投球フォームとなっている。上半身の回線が鋭くしつつ、フォームの間をもっと重視するようになると、さらに打ちにくい投手となるだろう。
更新日時:2018.06.29

将来の可能性

 実力は十分で、選抜では流れを呼び込む安打や試合を決めるサヨナラ安打を打ったりと、ここ一番で勝負強さを発揮する度胸の良さ、メンタリティの強さは大舞台向きでプロで活躍できる精神的な素質は備わっている。一方で課題は体力面、肉体面。下半身を見ると細く、まだ筋力的な強化によっては、さらにボールが速くなる素質が備わっている。  二季連続の優勝を目指して、この夏はどんなピッチングをたどるのか大きく注目をしていきたい。
更新日時:2018.06.29

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