「紅葉川の野球」で夏大シード権獲得!選手を支える都立紅葉川(東京都)の頑張るマネージャー!
今春の東京都大会では4回戦に進出。ベスト16入りを果たし、夏の選手権大会のシード権を獲得。また、都立紅葉川は平成30年度から、東京都より部活動強化校に指定され、野球部にも更なる活躍が期待されている。今回はそんな都立紅葉川野球部を支えるマネージャーにお話を伺った。
先輩達の最後の姿が現チームの原動力に
都立紅葉川野球部マネージャー(左から)菅原楓々さん、西笛伶奈さん、藤田菜央さん
現在、都立紅葉川野球部の部員は3学年で計39名。マネージャーは、菅原楓々さん(3年生)、西笛怜奈さん(3年生)、藤田菜央さん(3年生)、石上ちひろさん(2年生)、丹生晴華さん(1年生)の5名。
マネージャーの主な仕事はタイム計測、ノックの補助、道具の準備、アイシング・補食・ジャグ作り、スコアラー、SBO、アナウンス、お茶出し、大会時の運営、年賀状作成、個人成績表・新聞の作成など幅広い。
マネージャーが作成している新聞は「やんちゃ小僧伝」という野球部新聞。試合結果やその月の出来事を記載し毎月発行している。野球部の部員のみならず、校内にも張り出し全校生徒が見られるような工夫もしている。
部員達が楽しそうにしている時、無邪気に笑っている時、マネージャーが行ったことが繋がって役に立った時など様々だが、毎日やりがいを感じるという。また、試合の時に全員で楽しみ、明るくプレーをしている選手の姿を見ている時はマネージャーである彼女達も楽しい気持ちになる。それがチームの良さでもあるそう。
他校のマネージャーに負けない点は「声」。
メニュー終わりに叫ぶ声は、歴代の先輩方からの伝統で、意識して叫んでいるのだとか。
マネージャーもチームの一員として同じ想いを抱いて、選手達含めチーム全体が野球をプレーしやすい環境をつくるよう心掛けている。
普段からチームを見守り支えているマネージャーである彼女達が印象に残っている試合が、春季都大会予選での攻玉社戦。秋季大会で攻玉社に3対2のスコアで惜敗した都立紅葉川。春季都大会予選で再び対戦。都立紅葉川が勝利し見事にリベンジを果たした。そこから都立紅葉川打線に火が付き、都大会3回戦、明星との試合ではホームの[stadium]江戸川区[/stadium]球場で観客からのたくさんの応援を味方につけ、「紅葉川の野球」が出来たという。こうして見事に夏大会のシード権を獲得したのだ。
また、昨夏で印象に残っている試合は、第100回記念大会東東京都予選4回戦、都立小山台戦。2対9で敗戦し3年生最後の試合となったが、先輩達の姿は後輩達の心に残り、新チームを作る上での原動力になった。「卒業した先輩達はとても明るく、後輩達に慕われる存在だった。先輩マネージャーも私達にとって目標であり、尊敬できる人でした。」と話してくれた。
ここからは西笛怜奈さん(3年生)にお話を伺いました!
[page_break: 「紅葉川の野球」を見せつけ戦い抜く!]「紅葉川の野球」を見せつけ戦い抜く!
都立紅葉川マネージャーの西笛伶奈さん(3年)
中学時代はソフトボール部に所属していた西笛さん。兄弟が野球をやっており、野球一家で過ごしてきた西笛さん。自分自身も野球・ソフトボールをやっていたことから、野球部のマネージャーい強い憧れがあったという。
マネージャーになり自分自身も変化してきた。「大人の方とお話することが好きになりました。何よりも1番は先読みし行動する事の大切さを知りました。もしもマネージャーになっていなかったら、田河先生がよくおっしゃる「感性」の無い人間だったと思います。」と話した。
西笛さんは、マネージャーの活動の中で、嬉しいと思う出来事がたくさんあるようだ。「試合で勝った時はもちろん嬉しいですが、陰で練習していた選手が打った時や、守備でナイスプレーを見せた時には内心「ホッ」とします(笑)」。選手の陰の努力に気付くのもマネージャーならではである。また、バレンタインの時には1人1人に手作りで渡すと、お返しの量が凄いことになるのもちょっとした自慢だとか。そんな、自慢の選手達と何気ない会話で盛り上がったり、ご飯を食べたり遊びに出かけたり、「何気ない日常がとても幸せです。」と振り返る。
「選手のふとした会話の中で、「俺らの代のマネージャーが3人で良かった。」と話していたのを聞いた時にはとても嬉しかったです。また、「怜奈の声はグラウンドを一瞬で支配出来る。」と言われた時には、意識して声出しをしていたので素直に嬉しかったです。」
選手達も「マネージャーはチームの陰の立役者、チームを常に見守る大切な存在です。」と話した。
西笛さんは「マネージャーがいなくても野球は出来ると思います。でも、いるだけで安心する存在、自分の言動に責任を持ち、常に謙虚さと感謝を忘れないマネージャーでいたいです!」とこれからの更なる目標を語ってくれた。
最後にマネージャー達から選手達へ向けてコメントを頂いた。
「この夏は、特に3年生にとっては特別な夏だと思います。応援してくれる方々、学校、保護者、道具、環境そして何よりも、最後の夏となる田河先生の為、チーム全員で「紅葉川の野球」を見せつけて戦い抜きましょう!」
田河清司監督最後の夏。都立紅葉川野球部の選手はどこまで力を発揮することが出来るのか、選手達を支えるマネージャー達も特別な想いでこの夏を迎える。
文=編集部