阪神・小幡竜平が一軍デビュー、チーム久々の高卒生え抜きの主力となるか
小幡竜平
巨人の戸郷翔征が破竹の勢いを見せている。8月27日のヤクルト戦で5回無失点と好投し、今シーズン早くも7勝目をマーク。8月はわずか1失点のみ。4勝0敗、防御率0.37と圧倒している。高卒2年目ながら、すでにエースの菅野智之とともに先発ローテーションの中心的存在となった。
その戸郷は宮崎県の聖ウルスラ高校出身だが、同じ宮崎出身の高卒2年目の野手が存在感を発揮しつつある。阪神の小幡竜平だ。
延岡学園出身の小幡は3年(2018年)春の甲子園に背番号「6」で出場。初戦敗退となったが、「4番・遊撃」で出場し4打数1安打1打点と聖地に爪痕を残している。
その年のドラフト2位で阪神に指名され入団。1年目は一軍での出場こそなかっったものの、二軍では99試合に出場。打率.225(316打数71安打)、1本塁打とまずまずの成績を残している。
2年目の今シーズンは開幕二軍スタートだったが、31試合の出場で打率.277(101打数28安打)と確実性を上げ、8月21日に一軍へと昇格。翌日に迎えた初出場時には、フェースガードを着用していたことでも話題となった。
守備固め、代走とステップを踏み8月26日には「8番・二塁」でスタメン出場を果たす。この日は無安打に終わったものの、翌日もスタメンで出場するとプロ初安打を含む2安打と気を吐いた。
本職は遊撃だが、糸原健斗が故障で離脱中ということもあり二塁で出場。二軍でも2年間で4試合しか守ってないが、ここまでエラーはなく、大きな破綻は見られない。主将の不在をしっかりと埋めている。
今シーズン、阪神のレギュラー野手で高卒の生え抜きはひとりもいない。植田海(近江高)が36試合、中谷将大(福岡工大城東)が24試合に出場しているものの、規定打席には大きく及ばない。北條史也(光星学院)も25試合に出場したが、打率1割台と結果を残せず登録を抹消されている。
2010年代で見ても、高卒生え抜きの選手で規定打席に到達したのは、2017年の中谷と2013年・14年の大和(樟南高)だけ。主力は大卒や社会人の即戦力候補に外国人やFAなどで獲得した選手たちだけ。高卒の選手を育成して戦力とすることはできていない。
久々に出てきた生え抜き高卒の野手である小幡を阪神は主力選手へと育てることができるだろうか。若虎の成長に注目が集まる。
(記事=勝田 聡)
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