神村学園vs武岡台
4点目をあげる神村学園
「苦境」感じさせない快勝・神村
神村学園はこの日、ベンチにメンバーが14人しか入っていない。3月に石巻に遠征に行って以降、チームでインフルエンザが流行し、未だ完治せず球場に来られないメンバーがいるからだ。だが、この試合はそんな「苦境」を全く感じさせない力強さで武岡台に5回コールド勝ちだった。
初回に打者12人を送る猛攻で8点を挙げ、早々に主導権を握った。切り込み隊長の1番・松木隆成(3年)が「狙っていた」セーフティーバントで出塁し、二盗を決めて悪送球で三塁まで進み、2番・井石鷹一郎(3年)のセンター前タイムリーであっさり先制した。この回も8安打で8点と効率の良さが際立つ。少ない安打数で効率よく得点するのは前チームから続く伝統だ。それを支えているのは鋭く低い打球を打つことであり、ワンヒットで二塁からかえることができる高い走塁技術である。2番・井石は浅いセンターフライでも二塁からタッチアップで三塁を陥れている。9番・大脊戸飛翔(3年)は、バックホームのボールをうまくかいくぐって7点目のホームに滑り込んだ。インフルエンザのため、直前の登録変更で1番を背負った東務大(2年)は武岡台打線を散発3安打に封じた。
「卒業した先輩たちの良いところをしっかり受け継ごうとしています」と大坪直希主将(3年)。自身もインフルエンザのため、2回戦の薩摩中央戦は欠場している。チーム事情は苦しいが「だからこそひとつにまとまろうと結束力がついています」(大坪主将)。
(文=政 純一郎)