試合レポート

名西vs富岡西

2020.09.22

1年生アーチスト・馬越 歩、名西を17年ぶり秋徳島県8強に導く

名西vs富岡西 | 高校野球ドットコム
11回表名西一死一・二塁から4番・馬越 歩(1年・捕手)が決勝3ランを放つ

 2年前の秋は「ノーサイン野球」を旗印に四国大会ベスト4まで駆け上がり、翌春21世紀枠甲子園初出場・優勝した東邦(愛知)相手に善戦の礎を築いた富岡西。初戦は32対1で昨秋県ベスト4の小松島西に大勝し、意気揚々と2回戦に進んだ彼らに立ちはだかったのは、選手17人の名西だった。

 「富岡西のノーサイン野球を想定し、富岡西と同じような戦術を敷く城南さんとも平日に練習試合をして対策を進めてきた」(上田 一彦監督)彼らは、中盤までリードを許しても淡々と試合を進行。6回からは予定通りに130キロを超えるストレートを内角へ強気に投げ込む主将の村上 真央(2年・一塁手兼任・右投右打・167センチ75キロ・上板町立上板中出身)を3番手に送り込んで、反撃の機会を待った。

 

 そして名西は1対4で迎えた8回表に100球を超えた富岡西先発・上田 純ノ介(2年・180センチ73キロ・右投右打・勝浦町立勝浦中出身)から満を持して1番・山口 雄太朗(2年・二塁手・171センチ64キロ・右投右打・石井町立高浦中出身)の右越2点二塁打などで4点を奪い逆転。村上が9回裏に1点を失いながらサヨナラのピンチを2度しのぐと、11回表には一死一・二塁から前打席でストレートを叩きポール際に大ファウルを打っていた4番・馬越 歩(1年・捕手・右投右打・174センチ86キロ・徳島市城西中出身)が、「変化球を狙い打って」、今度は左翼ポールにぶつける決勝3ラン。名西が実に2003年以来13年ぶりとなる秋の県8強進出を決めた。

 実はこの馬越。このホームランが高校入学から半年にして高校通算4本目。今年は一連のコロナ禍で練習すら満足にこなせない状況。かつ少人数校においてのこの現時点本塁打数は特筆に値するだろう。「好きな選手は中村 剛也(埼玉西武ライオンズ)さんです」と言ってニッコリ笑った試合後。「右ひじを壊して1年冬から半年余り野球ができなかった」中学時代を取り戻すべく、名西で輝く1年生アーチストはこれからも「自分が優勝に導く」決意を抱いてフルスイングを続ける。

(レポート=寺下 友徳

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.04

【東北】5日に抽選!秋春連覇がかかる青森山田、雪辱期す仙台育英と明桜の対戦相手に注目<地区大会組み合わせ>

2024.06.04

【春季東北大会出場校一覧】仙台育英の「朗希2世」や、花巻東の1年生野手など注目選手も

2024.06.04

【2024夏有力チーム分析】龍谷大平安は県外招待試合でメンタル強化! 豊富な投手陣と超強肩捕手を軸に近畿王者・京都国際を追う

2024.06.04

【中国】尾道が延長10回サヨナラ勝ちで初優勝<春季地区大会>

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿児島実がコールド勝ち!川内商工は終盤に力尽きる

2024.05.31

【北信越】富山県勢4校が12年ぶりの県勢V狙う、茨木擁する帝京長岡にも注目<地区大会>

2024.05.31

【鹿児島NHK選抜大会】鹿屋農が"強気の勝負"で勝機を引き寄せ4強入り

2024.05.31

【鹿児島NHK旗】鹿屋農が、延長11回を制す!

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.31

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在34地区が決定、佐賀では佐賀北、唐津商、有田工、龍谷がシードに

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得