日本航空石川vs高岡商
日本航空石川が打ち合いを制す！
2本の2塁打を放った毛利水樹（日本航空石川）
2年ぶりのセンバツを目指す日本航空石川が夏16強の高岡商を打ち合いで破った。
日本航空石川は身長190㎝、体重105㎏の体格を持つエースで4番の嘉手苅浩太（2年）は投手ではなく、4番三塁手で出場。試合は序盤から点の取り合いとなる。日本航空石川は2回表、無死一、三塁から7番・城田凌介（2年）の犠飛で先制点を挙げる。さらに二死二塁から9番・田中颯希（2年）が中前適時打を放ち、追加点を奪った。
2回裏に1点を返されるが、3回にも5番・毛利水樹（2年）の中越え適時二塁打など、3本の長打が飛び出し、4点を追加。先発の田中が制球に苦しみ、失点を重ねる中でも常にリードを保って試合を進めた。
9対6で迎えた7回表には二死から1番・石井幸希（1年）が左中間スタンドにソロ本塁打を放ち、リードを4点に広げる。それでも粘りを見せる高岡商は4点を追う8回裏に3番・石黒和弥（1年）の犠飛と5番・澤田慎太郎（2年）の左前適時打で2点差に迫った。
気の抜けない展開が続く日本航空石川は9回裏に背番号11の百瀬遥輝（1年）を2番手で投入。「いつも通りの力を出していた」（中村隆監督）と三者凡退に抑え、逃げ切りに成功した。
日本航空石川は上田優弥や原田竜聖（ともに現空石川は上・明大）を擁して昨年のセンバツ8強に進んだ時と同様に今年も打力のチームだと感じさせられた。この試合で放った長打はなんと9本。特に5番の毛利はパワーと柔らかさを兼ね備えており、今後の打のキーマンとしての活躍が期待できそうだ。注目の嘉手苅はポテンヒット1本に終わったが、打席での存在感は別格。準々決勝の敦賀気比戦では投打にわたる活躍に期待したい。
敗れた高岡商は夏の甲子園を経験している主将の藤井康平（2年）や石黒などを中心に粘り強い打力を発揮したが、投手陣の整備がまだ追いついていないように感じられた。冬を超えて台頭する投手の出現に期待したい。
（文＝馬場遼）
