試合レポート

木更津総合vs市立船橋

2014.10.04

木更津総合が完封リレーで4年ぶりの関東大会出場を決める!

木更津総合vs市立船橋 | 高校野球ドットコム

鈴木健矢(木更津総合)

 強力打線がウリの木更津総合だが、今年は投手力がウリのチームである。
木更津総合の先発は市立松戸戦(試合レポート)で、1安打完封を成し遂げた右のサイドハンドの鈴木健矢(2年)である。安定感という点では一番の投手だ。

 この日も安定感抜群の投球をみせた。ストレートのスピードは常時125キロ~131キロぐらいだが、両サイドにコントロール良く決まる。そしてサイド特有のスライダーがコーナーギリギリに決まり、市立船橋打線を封じる。

 対する市立船橋の先発・望月大希(2年)も長身から角度良く振り下ろすストレートを武器に木更津総合打線を抑えていく。試合は投手戦となった。

 試合が動いたのは3回裏、木更津総合が一死から9番大澤 翔(1年)が左前安打と中継間の乱れもあって、二塁へ進塁。二死二塁から2番石井 伶(2年)が中前適時打を放ち、1点を先制する。

 しかし、その後はお互いゼロ行進。1対0の試合展開はリードする投手にプレッシャーがかかるものだが、鈴木は自分のテンポで、投球を組み立て、試合を作っていった。

 そして7回裏、木更津総合は4番檜村 篤史(2年)が失策で出塁し、二死二塁から市立船橋の敵失で1点を追加。木更津総合にとっては大きな1点となった。8回表からは準々決勝の千葉敬愛戦(試合レポート)で完封勝利を挙げた早川隆久(1年)が登板。

 早川は、1年生ながら常時130キロ前半を投げ込む投手。だが7番後藤 裕雅(2年)、8番飯野 一真(2年)に連打を浴び、無死一、二塁のピンチを迎える。だが木更津総合バッテリーは冷静だった。代打の伊井 庸介(1年)を二塁併殺に打ち取り、二死三塁。そして1番及川 茂樹(2年)を右飛に打ち取った。この回のピンチを切り抜けた早川は9回表、無得点で締め、2010年以来の関東大会出場を決めた。

 2010年のチームは強力打線。県大会では千葉英和相手に21対16の打撃戦を演じた。そのチームと比べるとまさに対照的なチームで、今年のチームは投手力、守備力が堅い。簡単に失策しない守備が、投手を盛り立て、5試合で3完封と安定感ある試合運びが出来ている。

 関東大会へ向けて、より標準は高まっているといえるだろう。決勝戦ではどんなプランで試合に臨んでいくか注目をしていきたい。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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