試合レポート

都立千歳丘vs都立調布北

2014.07.16

足攻光る都千歳丘、都立校対決を制し4回戦へ

 ともに初戦となる2回戦では、昨夏ベスト8である専修大附を接戦の末下した都立千歳丘と、昨夏ベスト16の都立大泉を延長戦の末下した都立調布北による都立校対決。

 都立千歳丘は身長180センチの長谷川壮平都立調布北は身長182センチの上村有希という、2年生で球威がある、比較的長身の投手が先発。
都立調布北の一塁手・長谷将太郎は192センチ、遊撃手の小林遼は182センチあり、ネット裏から観ていると、かなり大型チームといった感じがする。

 真夏の太陽が照り付ける午前11時16分に始まった試合は、1回表都立千歳丘が、足で先取点を挙げた。

 2回戦の9番からこの試合1番に上がった島村光輝が四球で出塁すると、2番田山文太が二塁に送る。二死後、4番近野皓広の時に、島村は二盗に成功。さらに近野も四球で出塁して、一、三塁。
すると一塁走者近野は、二塁にスタートする。都立調布北の捕手・小瀧祥平は、三塁走者の島村をほとんど見ないで、二塁に送球。近野が一、二塁間にわざと挟まれる間に、島村がスルスルとホームを陥れる。
近野はタッチアウトとなったが、近野がアウトになるより前に、島村は本塁を踏んでおり、都立千歳丘が1点を先取した。

 それでも、2回戦を延長戦の末勝った都立調布北には勢いがある。
1回裏1番北條大和が間一髪セーフの内野安打で出塁。犠打や進塁打で三塁まで行くと、都立千歳丘の先発・長谷川が暴投し、労せず同点に追いついた。

 都立調布北は3回裏一死後、3番内田雄介、4番筒井友朗、5番小林遼の三者連続安打で満塁にすると、6番長谷による犠飛で1点を勝ち越した。


 しかし都立千歳丘は4回表、足を絡めた攻撃で同点に追いつく。
この回、都立調布北上村の速球の前に2者連続で三振に倒れるも、7番佐藤大輝は右前安打で出塁。続く吉村日比季の時にすかさず二盗。さらに三盗をするような勢いで走り出すと、吉村は浅い中前安打。佐藤は余裕をもって生還。ヒットエンドランが成功して、都立千歳丘が同点に追いついた。
試合の流れとしては、2者連続三振の後、足攻であっさり取ったこの1点が大きかった。

 5回表、先頭の島村は左前安打。島村はこの日、2安打2四死球と活躍した。続く田山が四球で歩くと、3番小出悟はレフトへハーフライナー。結局左翼手の前に落ちたが、島村のスタートが遅く、三塁でアウト。
本来チャンスを潰しかねないミスであったが、都立千歳丘には、勢いがあった。その後4番近野と6番河野将人が左前適時打を打って、勝ち越しとなる2点を入れた。

 2点をリードした都立千歳丘は、5回途中から2回戦でも好投した雨宮惇が登板。
2回戦で好投した雨宮は、自信を持ったのか、小さな腕の振りから、ストレートにスライダーなどで都立調布北打線を寄せ付けない気迫の投球で、4回1/3を被安打1の無失点に抑えた。

 都立千歳丘は、2回戦に続き長谷川、雨宮のリレーで勝利した意味は大きい。
長打力はさほどないが、力のある2人の投手を擁し、かき回す野球をする都立千歳丘は、今大会の台風の目になる可能性がある。

 一方都立調布北は、上村―小瀧のバッテリーや長谷のように、2年生の大型選手がいる。来年の活躍を期待したい。

(文=大島裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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