試合レポート

東海大相模vs川和

2021.07.21

東海大相模、終盤の集中打で5回戦進出!エース石田がバットでも勝利呼び込む

東海大相模vs川和 | 高校野球ドットコム
得点に沸く東海大相模ベンチ

 横綱が苦しみながらも5回戦へ駒を進めた。
7月20日、第103回選手権神奈川大会4回戦がサーティーフォー保土ケ谷球場で行われ、選抜甲子園優勝校の東海大相模川和が対戦。試合は東海大相模が、終盤の集中打で7対1で川和を破った。

 2回表、先頭の6番・百瀬和真内野手(2年)がソロ本塁打で東海大相模が先制点を挙げたが、直後の2回裏に川和も二死三塁から1番・荒畑諒人内野手(3年)の右前適時打ですぐさま同点に追いつく。

 東海大相模の先発・武井京太郎投手(2年)は制球が定まらず、4回からは背番号20の庄司裕太投手(2年)にスイッチするが、流れが悪いまま試合は後半へ。同点で迎えた7回からは、エースの石田隼都投手(3年)を投入することとなった。

 すると9回表、東海大相模打線がようやく川和の先発・吉田悠平投手(3年)をとらえた。
6番・百瀬、7番・求の連打から一死一、三塁のチャンスを作ると、9番・石田が一塁線を破る2点適時打を放ち、遂に勝ち越しに成功する。さらにその後も、2本のタイムリーでこの回6点を挙げた東海大相模。エースの力投が流れを呼び、苦しみながらも5回戦進出を決めた。

[page_break:選抜優勝校とがっぷり四つ。名将も認めた公立校エースの徹底力]

選抜優勝校とがっぷり四つ。名将も認めた公立校エースの徹底力

東海大相模vs川和 | 高校野球ドットコム
選抜王者を追い込む熱投をみせた吉田悠平(川和)

 選抜優勝校を相手に、熱投も実らなかった。

 7月20日、第103回選手権神奈川大会4回戦がサーティーフォー保土ケ谷球場で行われ、東海大相模川和が対戦。川和は8回まで1対1と、横綱を相手にも互角の戦いを演じたが、最終回に崩れ大金星はならなかった。

 先発の22072投手(3年)は、立ち上がりから東海大相模打線の前に再三ピンチを背負ったが、キレのあるカットボールを低めに集めて決定打を許さない。2回に百瀬和真内野手(2年)にソロ本塁打を浴びるも、以降は粘り強い投球で得点を許さずプレッシャーをかけ続けた。

 だが9回表、一死二、三塁のピンチを背負うと、9番・石田隼都投手(3年)に一塁線への適時打を浴びて勝ち越しを許す。さらに2本のタイムリーを許してこの回6点を失った川和は、善戦も届かず7対1で敗退。試合後、吉田は大粒の涙を流して9回の投球を悔いた。

「8回までは上出来でしたが、9回が本当に悔しいです。もう少しだったのですが」

 それでも吉田の投球には、敵将の門馬敬治監督も賞賛の言葉を送った。
終盤まで苦戦を強いられた要因となったのは、ランナーを置いた場面でことごく低めに決まるカットボール。ブレずに徹底して低めに投げ続けたことが、東海大相模打線を苦しめた。

「“これ”だと決めてやってくるチーム、選手はやはり強みがあります。彼の場合はカットボール、あのボールを打たれる9回までひたすら投げ続けた。
あの徹底力を上回る徹底力が無いと、やはりこういった形になってしまいます。あのボールを、どのピンチでも徹底して投げ続けるのは本当に強いです」

 また東海大相模のエース・石田隼都投手も、「すごく攻めてくる投手。攻める姿勢は勉強になった」と思わず口に。

 試合は惜しくも敗れたが、その徹底力は選抜優勝校の脳裏に深く焼き付いた。

(文=栗崎 祐太郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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