Column

中嶋、深沢、市川…関東大会に登場したドラフト候補速球派5名を徹底分析

2021.05.22

中嶋、深沢、市川…関東大会に登場したドラフト候補速球派5名を徹底分析 | 高校野球ドットコム
市川祐(関東一)、中嶋太一(桐光学園)、深沢鳳介(専大松戸)

 5月22日、春季関東大会準決勝が開催される。今回は関東で目立った好投手たちの最速や平均球速を振り返りつつ、夏へ向けての展望について迫っていきたい。(数字は球場内ではなく、手元のスピードガンで測った数字をもとに算出している)

中嶋太一桐光学園)最速146キロ 平均球速141.17キロ

 183センチの長身から振り下ろすオーバースローから繰り出す常時140キロ台の直球の威力は抜群。直球の威力は抜群。関東学園大附戦ではスプリット数球だったが、強打の関東学園大附打線をストレート中心でねじ伏せた投球は本物だった。近年の神奈川の高卒指名組の右投手と比較しても負けていない投手だといえる。夏まで高クオリティの投球を続け、神奈川の強豪私学相手にインパクトの大きい投球を見せれば、もっと評価は高まるだろう。

深沢鳳介専大松戸)最速142キロ 平均球速137.04

 高校生の右サイドとしては平均球速は高く、回転数の高いストレートで次々と空振りを奪い、13回を投げて17奪三振。わずか1四球しか与えておらず、安定感は抜群。変化球はスライダー、ツーシームに加え、90キロ台のスローカーブを操る。サイドの投手としては肘と手首が立った投げ方で、スローでみるとスリークォーターのように見える。

 右サイドの投手で、カーブを使って緩急を使える投手はなかなかいない。完成度の高さはピカイチで、オーバーハンドが多い今年の高校生投手の中では差別化ができる人材と言えよう。

市川祐関東一)最速142キロ 常時130キロ中盤〜後半

 要所で140キロ台の速球を投げ込んだり、カーブ、スライダー、ツーシーム、チェンジアップを多彩な変化球を投げ分けて打者を抑えて、また相手打者の力量でギアを入れ替えている。「勝てる投球」ができる投手で、高卒プロにいくためには平均球速をどれだけ高められるかが鍵となる。


中嶋、深沢、市川…関東大会に登場したドラフト候補速球派5名を徹底分析 | 高校野球ドットコム
堀越啓太(花咲徳栄)、大川慈英(常総学院)

堀越啓太花咲徳栄)最速143キロ 平均球速139.2キロ

 県大会で最速146キロをマークしたという堀越。しかし常総学院戦では勝ち越し打を打たれたようにボールが高めに入ったり、抜けたり、自分のフォームで投げられていない事が多い。ただしっかりと指を離せた時のストレートは絶品。スライダーピッチャーなので、スカウトにアピールするには常に高回転のストレートを安定してストライクを稼げ、スライダーに強弱をつけたりと他のスライダーピッチャーにはないものをアピールできるか。

大川慈英常総学院)最速143キロ 平均球速140.25キロ

 強烈なスリークォーターから繰り出すストレートはわかっていても打てないものがある。課題だった鋭く落ちる縦系統の変化球も精度が高まってきた。ただ力んで、ボールが抜けたり、汲々とした投球になっているのが気になる。夏には常時140キロ中盤・最速140キロ後半まで速くなる可能性を持っているが、夏までには力でねじ伏せるだけではなく、強弱をつけた投球を期待したいところだ。

(記事=河嶋 宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾は昨夏甲子園優勝バッテリーがスタメン!初回から4番・江戸 佑太郎の1発などで3点を先制!【香川招待試合】

2024.06.08

慶應義塾が四国王者の高松商、英明に連勝!!<香川招待試合>

2024.06.08

昨年春夏甲子園出場・北陸の卒業生進路 エースは筑波大へ! 早速公式戦で上々のデビュー

2024.06.09

大阪桐蔭、敗れる! センバツ8強・阿南光の吉岡を攻略できず、エース平嶋は7回被安打10【徳島招待試合】

2024.06.08

慶應義塾が15安打12得点で強打健在も投手陣に不安 先発小宅は5回途中で降板【香川招待試合】

2024.06.04

神村、鹿実の壁を破れ! 国分中央は「全力疾走・最大発声・真剣勝負」で鹿児島の頂点を狙う

2024.06.05

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在36地区が決定、徳島の第1シードは阿南光!第2シードに池田!<6月5日>

2024.06.06

大阪桐蔭が選抜ベスト8の阿南光ら4チームと対戦!<招待試合>

2024.06.04

【東北】5日に抽選!秋春連覇がかかる青森山田、雪辱期す仙台育英と明桜の対戦相手に注目<地区大会組み合わせ>

2024.05.21

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.21

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在33地区が決定、岩手では花巻東、秋田では横手清陵などがシードを獲得〈5月20日〉

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.19

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在30地区が決定、青森では青森山田、八戸学院光星がシード獲得