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21日開幕!!沖縄尚学、沖縄水産を追う学校は?【前編】

2018.03.20

 65回目を数える沖縄県高校野球春季大会が来る21日に開幕する。第1シードの沖縄尚学、第2シードの興南の二強と第3シード沖縄水産、第4シード沖縄石川の古豪が絡む春の展望を、前編の今回はは沖縄尚学のAブロックと沖縄水産のBブロックを中心に見て行きたいと思う

Aブロック 〜頭一つリードする沖縄尚学〜


沖縄尚学の知念 大成選手

 浦添は秋の大会で宜野湾と1点差の接戦を演じた。エース東 凌矢の右腕に期待がかかる。力の差がある辺土名は正直苦しい。自分たちの浦高野球を貫き、それを再確認し準備を万端にして横綱沖縄尚学へ挑みたい。

 プロ注目の大型右腕、中濱 太洋率いる中部商は現メンバーの殆どが一年生からの主力とあって、集大成のこの年に懸ける思いは強い。順当に勝ち上がり、今度こそ打倒私学を果たし一気に頂点を目指す。対する真和志には上原 航がいる。秋の美来工科戦、一度はマウンドを降りたものの再び上がり、7回と2/3を投げて2失点と結果を残したエースの成長度に期待したい。

 秋16強の那覇と、その秋に糸満と互角の勝負をした宮古総実は蓋を開けてみないと分からない。那覇外間 敦喜、宮古総実の仲宗根 純平の出来、不出来が明暗を分けそうだ。

 那覇商は秋の沖縄尚学との戦い(延長12回まで2対2)で自信をつけた。毎年のように冬を越えた成長度を見せる小禄との戦いを、納得の行く形で制すれば自然と上位が見えてくる。小禄は12安打を放ちながら敗れた秋の悔しさを、この春にぶつけたい。

 それらライバルを向こうに回すシード沖縄尚学。エースでクリーンアップを務める大黒柱の知念 大成は、現沖縄高校野球界ナンバーワンの逸材。秋5試合の防御率が0.71。被打率0.187、制球力と三振を取れる力を図れるK/BBの数値は4.83とどれをとっても素晴らしい成績を残した。この春も勝ち上がり、もう一度九州大会に参加して創成館へのリベンジを。そして最後の夏へ繋げる大会にしたい。

[page_break:Bブロック〜 好カード多数の沖縄水産ブロック〜]

Bブロック〜 好カード多数の沖縄水産ブロック〜


沖縄水産の上原 一帆選手

 シード沖縄水産は、秋に躍動した新二年生・上原 一帆に注目が集まる。一年生中央大会では取りこぼしたものの、秋の興南戦では2失点の好投をするなどベスト4進出の中心となった。打者に的を絞らせない魅力のひとつでもある荒れ球はそのままに、どれだけ四死球数を減らせるピッチングが出来るか。昨年の主力がごっそり抜けた本部は苦しい。

 県内屈指の進学校同士の戦いとなる沖縄向陽対開邦。沖縄向陽は秋、普天間を相手に2対3と1点差ゲームを見せた。中部商にコールド負けした開邦も意地を見せたい。

 那覇工は秋、首里を相手に2点差と接戦して力のあるところを見せた。同じく秋、興南にコールド敗退した中部農は厳しいか。

 秋の真和志戦で敗退も0対1だった名護商工。打線の底上げがどれだけなされたか。対する嘉手納は豪華な投手陣が魅力。この冬で、ストレートが140kmを越えてきたエース仲地 礼亜は、今や中部商中濱に負けない力強さを身につけた。仲宗根 大夢は柔らかくしなり、低めを丁寧につく。新二年生の平 典士はサイドからキレのある球を放る。交流戦とはいえ、選抜出場の聖光学院戦で6得点を奪った打線も力強い。

 与勝前原に、名護那覇に秋それぞれ敗れたもののあと一歩だった。守りは共に自信がある。ここもやはり、打線のアップ力を手に入れているチームが優位となるか。

 秋、興南に1点差で敗れた首里。ここ近年は上位進出していないが、強みである守りから、攻撃へとリズムを作りたい。対する浦添商は、秋に敗れた具志川商にリベンジするチャンス。そのためにも試合巧者の首里との戦いを良い形で突破したい。
 豊見城は近年に比べるとやや戦力ダウンは否めない。連合チームとの戦いを勢いに繋げたい。

 このブロック屈指の好カードがKBC学園未来沖縄具志川商。秋の3回戦でぶつかった両者が春の初戦でぶつかる。共に180cm近い長身右腕のKBC学園未来沖縄新垣 龍希具志川商平 和樹の同級生の"再戦"に注目が集まる。

(文=當山 雅通)

 

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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