Column

U18 イ・ジョンフ、ネイラーなど世界各国の逸材たちの今

2017.08.27


左から李政厚(韓国)ロベルト(キューバ)ネイラー(カナダ)モニアック(アメリカ)

 世界中の若き力が集う、U-18ワールドカップ。先日、第28回大会の日本代表メンバーが発表され、今後の日本球界を担っていくであろう、未来のスターたちが名を連ねた。

昨年、日本野球ファンに注目された李政厚は高卒1年目で打率3割越え!

 一方、日本だけではなく世界各国でも同様に、力のある若い選手たちがそれぞれの国の代表として戦いに挑む。彼らも当然、将来を期待される逸材たちだ。将来有望と目される彼らは、今後どのような道のりを歩んでいくのだろうか。

 そこで、逸材として評価され、過去のU-18大会に出場した世界各国の選手たちは、今はどのような活躍をしているのかを、少し覗いてみることにしよう。

 まずは昨年の第11回BFAアジア選手権の韓国代表の1番打者を務め、豪快な打撃を披露したイ・ジョンフ(李政厚)だ。彼はかつて中日ドラゴンズに在籍していた、俊足巧打を誇る「風の息子」と呼ばれた、イ・ジョンボム(李鍾範)の息子ということもあり、「風の孫」と韓国では呼ばれている。ちなみに韓国の野球ファンの間では、息子は父親よりもイケメンという評判である。

 イ・ジョンフは韓国プロ野球新人ドラフトで、ネクセン・ヒーローズに一位指名され入団、プロ生活をスタートさせた。2017年シーズンでは、主に1番、2番打者として出場し、8月25日時点において、打率.334(リーグ10位)、2本塁打39打点、OPS.837の好成績をマーク。しかも1年目からオールスターに選出されており、父親と同じスーパースターの道を歩んでいる。

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[page_break:ネイラー、モニアック、ロベルトなどMLBのプロスペクトたちも出場していた!]

ネイラー、モニアック、ロベルトなどMLBのプロスペクトたちも出場していた!

 次に、今回の開催国カナダに目を向けよう。こちらも前回2015年の第27回大会で、カナダ代表の打線の中心となった、ジョシュ・ネイラーだ。MLBドラフトでマイアミ・マーリングからドラフト1位指名を受けたネイラーは大会注目の強打者として注目を浴びていた。当時から身長185センチ、体重103キロの巨体を有していたネイラーは、破壊力抜群の打撃で、2015年大会の最多本塁打とベストナインを獲得。特にスーパーラウンドのアメリカ戦で放った右中間スタンドへ弾丸ライナーで打ち込んだ当たりは多くのファンの度肝を抜いた。

 その後、プロ入りしたネイラーはメジャー昇格とはなっていないが、2017年シーズンは現在マイナーで103試合に出場し、打率.284と10本塁打58打点という成績を残している。自慢の長打力でさらなる飛躍を期待したい。ちなみに彼の弟であるノア・ネイラーは今大会に出場する。ノアも注目の左打ちの強打者だ。

 次はアメリカ代表だ。前回大会の優勝メンバーでもある、ミッキー・モニアックが最も有名ではないだろうか。右投左打のモニアックは、決勝の日本戦でも2番打者として出場していたことを覚えている方もいるのではないだろうか。そんな彼は、2016年MLBドラフト全体1位指名を受け、フィラデルフィア・フィリーズに入団。2016年はルーキーリーグでまずまずの成績を残したが、Aに昇格した2017年シーズンでは、現在115試合に出場し、打率.236と4本塁打40打点という成績。今後はさらに全体1位指名の期待に応えていきたいところだ。

 最後に、2015年のU-18キューバ代表だったルイス・ロベルトも現在にも注目していただきたい。ロベルトは2015年大会で、前出のネイラー同様、ベストナインに選出される活躍を見せた。その後はMLB入りを目指しアメリカへ亡命。2017年5月にシカゴ・ホワイトソックスに入団。しかも契約金は2600万ドルと報じられているように破格の契約金でMLB入り。ロベルトはドミニカン・サマーリーグに出場して腕を磨いている。ここまで26試合に出場して、打率.286、2本塁打9打点、OPS.917の好成績をマークしている。

 さて、今回は世界各国で活躍する4選手の今を覗いてみたが、やはり素質は十分で、実際、プロの世界に進んでも、活躍を見せている。今年も素質ある未来のスターたちが集うU-18。世界各国の金の卵が躍動する舞台が、ますます待ち遠しくなる。願わくは、数年後に大きく羽ばたき、日本の中心となるスター選手が、ここから生まれることを期待したい。

(文・編集部)


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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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