日本文理vs高岡商
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日本文理が前半の得点を守り切って、高岡商を抑えて2回戦進出
2番手・田中晴也(日本文理)
秋季県大会2位校同士の対決ではあるが、富山県と新潟県を代表する名門校、強豪校同士の対決である。顔合わせとしては、初戦の好カードの一つと言っていいであろう。ともに、この夏も甲子園出場を果たしており、夏春連続出場を狙っているチーム同士でもある。日本文理は投手の軸だった田中と村越に捕手の竹野のバッテリーと内野と外野で一人ずつが旧チームから残った。
高岡商も、4番を任されていた捕手の近藤に、二塁手だった宮内と左翼手だった早上が残って、チームの核となった。高岡商は、北信越大会は通算57回目の出場で今大会最多出場校となっている。
また、今大会の公立校での出場校は、高岡商と富山商という富山県内のライバル同士の2校のみ。北信越地区も私学優位の情勢になってきている。それだけに、高岡商として、伝統の公立校としての意地も示したいところでもあろう。吉田 真監督も、「その思いは十分にあって挑んだ」と語っていた。
グラウンド状況は、少し風はあるものの、秋の陽射しはことのほか強く、10月の信州とは思えない暑さの中での試合となった。
先取点は日本文理が初回に挙げる。一死から五十嵐が中前打で出ると、失策もあって一死一、二塁。内野ゴロで二死二、三塁となったところで5番竹野が三遊間を破って先制タイムリーとする。
4回にも日本文理は、先頭の6番高橋が二塁打で出ると、四球とバントで一死二、三塁とする。二死となってから1番の井口が見事に中前へはじき返して二人を迎え入れて3対0とした。
さらに5回にも日本文理は2四球などで二死一、二塁という場面で杣木が中前打して4点目を奪った。こうして、日本文理の主導で試合は進んでいった。
しかし、さすがに高岡商もそのままではすまされない。4回までは、日本文理の村越に2安打に封じ込まれていたが5回、一死から8番早上が中前打すると、続く代打で起用された金子は敵失。一、三塁から二盗。相手捕手の悪送球とその後の犠飛で2点差とした。これで、試合そのものもどうなっていくかわからないぞという展開になった。
ただ、そこから高岡商は川尻、日本文理は田中がリリーフのマウンドに立って、お互いが凌ぎ合ってどちらも次のアクションを起こし切れないまま、9回となり、日本文理がそのまま何とか逃げ切った形となった。
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先発・横江壱吹(高岡商)
日本文理の田中はこの日、最速147キロを表示していたが、ストレートはコンスタントに140キロ超えで、さすがに秋の新チームの打線に対しては、そんなには打ち崩されないだろうと思われた。
しかし、それでも、高岡商打線は、食い下がっていきながら、田中がリリーフして以降も毎回安打は放っていた。ただ、そこから力で牛耳っていかれることで田中が評価されているところでもあるということであろうか。
結局、前半のリードをそのまま日本文理がキープして逃げ切った試合となった。
日本文理の鈴木 崇監督は、「県大会から北信越大会で、かなりメンバーを入れ替えました」と言うが、そんな中で、「県大会ではメンバーに入っていなかった井口が4回、貴重なタイムリーを放ってくれました」と、この日1番に起用した背番号13の井口の活躍を喜んだ。投手陣は二枚看板が安定しているのだが、「村越は、もう一回り大きく成長してほしい」という期待感も高い。田中に関しては、今日は最初から抑えで行くぞと言うことは伝えてあり、まずは安定した投球だったといっていいであろう。
高岡商としては、「序盤に、ちょっとバタついてしまって、その失点を取り返せなかったのが痛かった」と、吉田監督は悔いていた。それでも、投手陣に対しては、「今の段階では、持てる力を十分に発揮してくれた」と、評価していた。
(取材=手束 仁)
代打で安打・金子雄虎(高岡商業)
追加点に沸く日本文理ベンチ
日本文理ナイン試合前