函館大有斗vs北見北斗
投手戦が崩れた5回裏!その後は・・・
函館大有斗・武井が逆転満塁本塁打を放つ
3点を追う函館大有斗は7回、9番野田将来(2年)のタイムリー二塁打で1点を返す。さらに一死満塁として2番武井伽耶飛(1年)がライトスタンドへ満塁本塁打。このイニングで挙げた5点が、決勝点となった。
「みんなが作ってくれたチャンス。自分は次のバッターの(3番・橋本)大成さんに繋げることを意識して打席に入りました。高校での公式戦本塁打は初めてです」と武井は思ってもみなかった一発に驚きを見せた。
前半は投手戦だった。北見北斗のエース・塩川幹太(2年)は本格派タイプで、6回まではわずか1安打に抑えた。
函館大有斗のエース・藤本竜大(2年)は、フォームやグラブの使い方が田中将大(ニューヨーク・ヤンキース)によく似ている。こちらも4回まで相手打線を1安打に抑えた。
そんな投手戦が崩れたのが5回裏。藤本は二死二、三塁のピンチを背負った。北見北斗は4番浅井岳(2年)が打席に立つ。函館大有斗の片口伸之監督は、「あのバッター(浅井)が一番良いバッター。歩かせてもいい」というジェスチャーをしていたという。しかし3ボール1ストライクとなり、藤本はストライクを取りにいってしまった。その球を逃さなかった浅井がレフトスタンドへ3ランを放つ。
「(歩かせてもいいというのは)頭ではわかっていたのですが」と唇を噛みしめた藤本。ひょっとすると、満塁にはしたくないという気持ちが勝ってしまったのかもしれない。
ただ、この一発が投手戦の流れを変えて後半の打撃戦の流れを作った。特に火がついた函館大有斗打線は、北見北斗の二番手・立石竜大(2年)から、7回以降の3イニングで10安打を放っている。
これが勝負の中で時折ある不思議である。