試合レポート

専大松戸vs千葉西

2014.07.14

千葉西が大健闘!専大松戸が苦しみながらも初戦突破!

 14日からシード校が姿を見せる。
[stadium]千葉県野球場[/stadium]第1試合は春季県大会優勝専大松戸が登場。対するは千葉西

 千葉西の先発・佐々 駿斗(3年)は130キロ前後の直球、スライダー、カーブをテンポ良く投げ分ける投球で、まず初回を0点に抑える。
シード校に対抗するには、初回で、攻略するのは難しいと思わせる投球をどう見せるかである。佐々は速球、変化球をうまく使い分けた投球が出来ており、上々の立ち上がりだった。

 だが2回表、4番渡辺 大樹(2年)が高めに入る直球を見逃さず、レフトスタンドへ飛び込む本塁打を放ち、1点を先制する。さらに3回表、二死二塁から2番藁谷 遵人(3年)の適時打で2対0と点差を広げられるが、1点ずつの失点なので、傷口は浅い。

 2点という点差はまだ同点に追いつける範囲だ。早く同点に追いつきたい千葉西は4回裏、先発左腕の中村 敦哉(3年)から、一死二、三塁のチャンスをつくる。ここで専大松戸は投手交代。エースの原 嵩(2年)をマウンドにあげる。

 ここで打席には7番佐々。佐々は変わったばかりの原の直球を振り抜き、中前適時打で2対2の同点に追いつく。その後、原は二死満塁のピンチを招くが、2番三上 赴史(3年)を空振り三振に打ち取り、ピンチを切り抜ける。

 5回表、今度は専大松戸がすかさず反撃に出る。2番藁谷が四球で出塁すると、3番高田 拓実(2年)の場面で盗塁。そして高田が右前適時打を放ち、勝ち越しに成功する。


 ここからは原が我慢の投球。
右オーバーから投げ込む直球は常時130キロ~135キロ前後といつもほどスピードは出ていない。また自慢のスライダーも曲がりが早すぎて見送られてボールになるなど、苦しい投球だった。しかし、ここぞという場面では力で押し切り、ゼロを積み重ねる。

 そして最大のピンチは8回裏。二死二塁から6番久保木が右前安打。二塁走者は一気に本塁を狙う。ライトの阿部 拓磨(3年)がワンバウンド返球。クロスプレーとなり、結果はアウト。見事な返球で同点のピンチを防いだ。

 1点を阻止したとなれば、今度は1点を追加したいところ。一死二、三塁から5番岡本 良樹(3年)の内野ゴロの間に1点を追加。2点差として、原はこれで気を楽にしたのか、簡単に二死を取り、9番桃原 佑祀(3年)をこの日最速の137キロのストレートで空振り三振。
立ち上がりに比べると、指にかかった素晴らしいストレートだった。

 専大松戸が苦しみながらも3回戦に進出した。

 投打ともに選手層が厚く、優勝候補と期待されているが、やはり初戦の戦い方の難しさを実感させられる。
だが、千葉西の戦いぶりも見事だった。

 先発の佐々は強力な専大松戸打線に対しても怯まずに外一辺倒にならず、内角を攻めながら、追い込んで縦の変化球で打ち取るなど、自分のペースで投球が出来ていた。そして打線も原の速球に喰らいついて、安打にしており、原もかなりヒヤリとさせられたはずだ。

 こういう初戦をモノにしたことで、次は初戦に比べて戦いやすくなるはず。投打ともに隙がない野球を行う事が出来るか。
悲願の甲子園へ、さらにギアを上げていく。

(文=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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