創立100周年を迎えた愛知の伝統校・国府の強豪私学に匹敵する4人の逸材とは
国府のスタメン・ベンチ入り一覧
21世紀枠にも選出された国府を牽引する4人の選手がいる。50メートルで6秒前半で駆け抜けることのできる俊足。そして高い出塁率も光る鈴木快晴。その鈴木の後ろを打つ2番・早川 玄一郎は強打のバッター。バントができるのはもちろんだが、打って中軸に繋げるスラッガーだ。
さらに守備の国府の中心としてエース・足立 進悟や、そして4番・キャッチャーとしてだけではなく、主将としてもチームを支える加藤 駿介と旧チームからバッテリーを組んできた2人にも注目だ。
国府ナイン
■エースを欠く緊急事態
愛知の21世紀枠推薦校となるまでは、決して簡単ではなかった。国府は昨秋の大会、予選を突破して県大会出場。ただその道のりは多難。注目左腕・足立が大会中に熱中症となり、戦線離脱。「全身に力が入らなくなって、2日間入院していました」と足立は当時を振り返る。退院後も1週間は安静となり、練習再開となっても体力が低下。本調子に戻るまでには時間がかかったという。
国府の練習模様
足立が離脱となっても大会は続く。「投手力が落ちてしまい勝つことが出来ませんでした」と加藤主将が語るように、チームは気がつけば最終戦・豊丘戦へ。試合は7回で3点ビハインドの苦しい試合展開。「正直負けると思いました」という流れだったが、試合は15対10で勝利。「冷や冷やでしたが、勝てて良かったです」と加藤主将が振り返れば「勝ち進んでくれてよかったです」と離脱していた足立は語る。
国府の練習模様
■強豪との一戦を振り返って
県大会では3回戦で享栄の前に敗れたが、ベスト16まで勝ち残った。その戦いぶりが21世紀推薦校に繋がった。加藤主将は「140キロを超える投手を初めて見ましたが、9回まで戦えるように食らいつけたのは良かった」と語るが、やはり敗戦には悔しさを感じていた。体の大きさから技術の違い。意識の高さでも違いと感じたとのことだ。
練習に打ち込む国府の選手たち
■山で鍛えた体力でライバルに挑む
現在は個々の能力を伸ばすべく、トレーニングに打ち込む国府。なかでも特別なのは山だ。基礎体力とメンタルを鍛えるために近くの山まで往復で1時間前後走りに行く。
土日は毎回走りに行くが、「かなり筋力はついてきました」と加藤主将は成長を実感。一方でエース・足立は「去年も走っていますが、傾斜がバラバラで苦手なんです。だから野手が普通に走っているのは凄いですね」とコメントしている。山道で鍛え上げた足腰で激戦区・愛知という険しい山を一歩ずつ上り詰めていく。
(文=田中 裕毅)
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