Column

目玉選手・陳琥だけじゃない!猛者揃いの台湾代表の選手たち

2016.09.02

 台湾で開催された第11回BFA アジア選手権大会。台湾代表の期待は非常に高く、今大会のパンフレットを見ても台湾の代表チームだけの特集記事が掲載されていたり、さらに試合会場となっているインターコンチネンタル球場には台湾選手のパネルも掲示されていた。そんな台湾はどんな選手たちがいるのだろうか。

陳琥の周りはスピード、パワーを兼ね備えた選手が揃う 投手陣は技巧派投手が多い

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台湾のスター・陳 琥(台湾)

 今年の台湾は陳琥が注目されている。すでに中信兄弟にドラフト1位指名が決定している選手で、投げては最速149キロ、打っては本塁打連発。台湾の大谷翔平と言われる選手だ。

 すらりとした大谷と違って、陳琥は182センチ90キロとガッシリ体型。野手体型に見えるが、これで球威ある140キロ台中盤の速球、キレのある変化球を投げるのだから世界レベルで見ても素晴らしい逸材である。日本戦で登板した陳琥は、投球練習で149キロを連発。そして落差あるスライダーで無失点に抑えた。球質が重く、木製になれていない選手にとっては打ち返しにくい投手。

 打者として振り返ると、インドネシア戦で本塁打を放つなど3安打の活躍。日本戦でも堀瑞輝(広島新庄)からストレートを打って左前安打を放つなど、直球に非常に強い。構えから威圧感たっぷりで、そして打撃フォームもフォロスルーまで安定した打撃フォームをしており、完成度は高い。またこの選手が良いのは手抜きをせずに、しっかりと走っていること。隙さえあればどんどん走ることができている。

 今大会で見せたパフォーマンスは出場国の中で飛び抜けており、間違いなく台湾球界を担う逸材として注目をしていきたい。また台湾が優勝するためには、投手陣の中では実力がずば抜けている陳琥をどのように使うのか?というのもポイントになりそうだ。

 また面白いのは1番打者の王泓逸。日本戦では2安打を放ったように、スイングが鋭く、速球にも強い。またインドネシア戦でマウンドに登ったが、最速140キロのストレートとキレのあるスライダーを投げ込んでいた。今後も野手になりそうだが、投手もできる身体能力の高さは大きな武器になりそうだ。

 ほかの打者もなかなか長打力があり逸材が多い。3番を打つ疹建富は速球に強く、巧打力が光る左の好打者。 5番には長打力のある右打者・邸達昱、6番には身体能力の高さがウリの大型右打ち外野手・陳真 7番を打つ蘇煒智はパンチ力がウリの強打の右打ち捕手。

 ショートを守る劉致榮は素早いフットワークが光る大型遊撃手で、まだ2年生で将来楽しみな逸材。

 投手陣は130キロ台の投手が多く、速球よりも制球力、変化球で勝負する技巧派投手揃いだが、その中で面白いのは、日本戦で先発した翁瑋均。翁は186センチの長身から、角度ある140キロ近い速球、キレのあるスライダー、緩く落ちるチェンジアップを投げ分ける好投手だ。

 スーパーラウンドでは韓国と対戦することになった台湾。韓国も強力なチームだが、なかなか激しい試合になる予感をさせられる。

 この大会に出場している18名は、間違いなく将来の台湾球界を担う選手たち。ぜひトップチームで再戦することを期待したい。

(文・河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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