高知南vs高知工
高知南「負」から「正」への一大転換で4年ぶり夏ベスト8!
2017年、高知南にとって高知工は不俱戴天の仇であった。春の県大会初戦で3対4で惜敗すると、直後の県総体予選でも8対9で連敗。結果、新チーム結成から最後の夏を迎えるまでに高知南が公式戦で得た白星は県総体予選1回戦で高知西に勝った1勝のみ。2016年春は県大会準優勝を果たすなど近年、強豪の一角を占めていた彼らのプライドはズタズタに切り裂かれた。
が、しかし。この負のスパイラルを彼らは正に変えた。集大成の高知大会。安芸桜ケ丘に快勝した1回戦に続き、この2回戦で高知南は昨年4月から指揮を執る29歳・井上 大地監督の檄に乗って2度の敗戦を吹き飛ばすあっぱれな戦いを見せる。
初回は2失策に乗じ、5番・横田 寛将(3年・右翼手・172センチ70キロ・右投右打・高知県立高知南中出身)の中犠飛と7番・西村 流維(2年・二塁手・170センチ58キロ・右投右打・高知市立潮江中出身)の中前打などで3点。続く2回裏には二死走者なしから怒涛の5連打。ここでは3番・川渕 佑斗(2年・遊撃手・173センチ65キロ・右投左打・高知県立高知南中出身)と横田が放った三塁打を含め、5人中4人が初球を叩くアグレッシブさも功を奏した。
2イニングで7点。これが高知南に落ち着きを、高知工に焦りを生み出す。高知工が無死二、三塁のチャンスを作った4回表も高知南は右サイドから打たせてとる下元 理斗(3年・175センチ61キロ・右投右打・高知大学教育学部附属中出身)の投球スタイルを考慮して確実にアウトを取れる深い守備陣形を選択。内野ゴロ2つによる2失点で被害を最低限にとどめることに成功すると、その裏には再び西村の適時打で8対2。
最後は7回裏一死二塁から途中出場の9番・中越 裕哉(2年・左翼手・169センチ64キロ・右投右打・高知市立旭中出身)が右越二塁打を放ってコールド勝ち。今シーズンは新人大会を除き、4大会連続で8強以上をキープしていた高知工へのリベンジを果たした高知南が4年ぶりの高知大会8強入りを果たした。
7月22日(土)・高知県立春野運動公園野球場で10時から始まる準々決勝の相手は明徳義塾。最大級に我慢の闘いを強いられる中、高知南は何を見せることができるのか?どん底を知り、這い上がってきた彼らの奮闘に期待したい。
(レポート=寺下 友徳)
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