試合レポート

日大三vs明大中野八王子

2014.07.24

日大三、チャンスを生かしコールド勝ち

 ともに強力打線のパワーを誇示して勝ち上がってきた日大三と明中八王子の対戦は、チャンスを得点に結びつけることができるか、できないかが、そのまま点差となった。

 1回表明中八王子は、1番小須田文哉、エースで4番の坪井将希が四球で出塁し、二死一、二塁のチャンスをつかんだが、日大三の先発・釘宮光希は5番平島嘉之をスプリットのような落ちる球で三振に仕留めた。

 日大三は2回裏、先頭打者・4番の廣谷真也が放ったセンターへの鋭いライナーは、二塁打になった。続く田村孝之介も中前安打で無死一、三塁。一死後、7番秋葉和也の三塁ゴロを併殺に仕留めようとするが、二塁が間に合わず、その間、廣谷が生還し、日大三が1点を先取した。

 反撃に転じたい明中八王子は4回表、一死から4番坪井の内野安打、5番平島の左前安打、6番相澤颯輝の内野安打と、3人続けて安打で出塁し、満塁のチャンス。しかし、続く小笠原渉、星野周太郎が140キロ台のストレートに、スライダーやスプリットなどで連続三振に切って取られ、得点できない。この日、日大三先発・釘宮は、走者を出してからの変化球のキレは素晴らしかった。

 4回表明中八王子が絶好のチャンスを逃すと、その裏から日大三の猛攻が始まる。一死後、廣谷、田村が続けて四球で出塁すると、5回戦佼成学園戦で本塁打を打ち、この日はスタメン出場の6番伊藤裕季也は内角をうまく打ち返して右中間を破る二塁打で、廣谷が生還。続く秋葉の三塁ゴロでは、田村は本塁で刺されたものの、伊藤は三塁へ進む。続く小藤翼の打席で、坪井の暴投があり、伊藤は生還、3点目を挙げた。


 5回裏には二死一塁から、田村が左中間を破る二塁打で、1点を追加。続く伊藤は二塁手と右翼手の間に落ちる安打でさらに1点追加。続く秋葉はセンターオーバーの二塁打を打って、この回3点目を挙げた。今年の日大三は、本塁打こそ少ないものの、振りは鋭く、外野手の間や頭上を越える長打が目立つ。

 ただ明中八王子にもチャンスは訪れている。6回表にも2安打1四球で一死満塁のチャンスをつかんだが、小笠原が遊飛、星野が三振に倒れ、得点できない。星野に対しては、3ボール0ストライクであわや押し出し、という場面もあったものの、釘谷は動じることはなかった。

 7回表には先頭の1番小須田が左前安打で出塁したものの、続く3人が倒れ、無得点だった。
その裏日大三は、2四球で一死一、二塁とした後、伊藤の中前安打で二塁走者の廣谷が生還し、7-0。コールドゲームが成立した。

 明中八王子は、主将の小須田、エースで4番の坪井を中心とした力強いチームであったが、最後の詰めのわずかな差が、日大三との大きな点差となってしまった。
逆に言えば、ピンチでも動じない、日大三の釘宮の投手としての自信や、制球力、出塁率の高い廣谷の後に続く、6番伊藤や7番秋葉の打棒が光った。

 日大三は準決勝では東海大菅生と対戦する。こちらも投打にレベルが高い好チーム。春季都大会の4回戦では日大三が12-0で完勝しているが、これは、あまり参考にならないはずだ。

(文=大島裕史

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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