塩釜vs築館
開幕戦は塩釜が勝利!
宮城大会が開幕した。
今年は初めて、[stadium]石巻市民球場[/stadium]で開会式と開幕戦が行われた。[stadium]石巻市民球場[/stadium]は東日本大震災後、自衛隊の復旧活動の拠点となっていた。撤退後、MLBの支援で復旧。人工芝の球場に生まれ変わった。
開会式では、前年度優勝の仙台育英を筆頭に、連合チームを含む73チームが入場行進した。
「私たちは、東日本大震災直後の混乱の中、高校に入学しました。入学式も延期され、野球ができるかさえわからない不安な状況の中で、高校生活がスタートしました。あれから2年4ヶ月。多くの方々のご支援により、日々の練習に取り組めるようになりました。今まで当たり前と思っていた『野球ができること』その喜びをかみしめています。そして今日、被災しながらも復興を遂げた、この石巻市民球場で開会式を迎えることができました。今、この感動と感謝の気持ちを白球に込め、正々堂々とプレーすることを誓います」
復興地・石巻から甲子園を目指す戦いの火蓋が切って落とされた。
開幕カードは築舘と塩釜。両校とも、前身は伝統ある男子校だ。
築舘の先攻で試合が始まった。塩釜の先発は玉手豪。1番・高橋朋也から見逃し三振を奪ったが、2番・高橋聖哉に四球。3番・三浦毅浩が空振り三振する間に高橋聖は二盗を許したが、4番・関場寛貴の打席でカウント1−1から牽制し、1−4−5−6とボールがわたってタッチアウトで切り抜けた。
ここでプレーボール直後から振り出した雨が一気に大粒になり、試合は49分間、中断した。
再開後、試合が動いたのは2回裏。塩釜は二死から6番・久慈朋弥が内野安打で出塁。二死一塁で7番・三浦瑞希が右中間に二塁打を放って先制した。
4回表。築舘は連打と四球で無死満塁のチャンスを作ると、5番・星和磨のライト犠牲フライで同点。さらに6番・西島海のサードゴロの間に三走・三浦がホームを踏んで逆転した。
直後の4回裏。塩釜は3番・加藤大地がセンター前ヒットで出塁すると、4番・小野山洸人の空振り三振の間に二盗。5番・清野清尭のライト前タイムリーで同点に追いついた。
さらに、6番・久慈の犠打で二死二塁とすると、7番・三浦の右中間を破る三塁打で逆転に成功。6回には1番・高橋啓介の2点タイムリーなどで3点を加えた。8回には二死から高橋が三塁打を放つと、2番・阿部幸也がレフト前にタイムリー。3番・加藤がセンター前ヒットで続くと、重盗で二死二、三塁から4番・小野山がライトオーバーを放って2人が生還。塩釜は9対2の8回コールドで築舘を下し、初戦を突破した。
先発・玉手は四球が目立ったが4安打完投。2回戦は第1シードの仙台育英と対戦する。
(文=高橋昌江)