試合レポート

工学院大附vs巣鴨

2013.03.24

工学院大附vs巣鴨 | 高校野球ドットコム 

工学院大附 黒田

2回まで7盗塁! 機動力を武器に都大会進出

東京都大会ブロック予選も各地で代表決定戦が行われており、そろそろ都大会の開幕が近づいている。
都立総合工科グラウンドは第6ブロックの試合会場となっている。第1試合は工学院大附巣鴨の一戦。

1回表、工学院大附は1死二、三塁のピンチを迎えたが、4番村田を三振、5番石川を右飛に打ち取り、切り抜ける。

1回裏、工学院大附は2番菊池が四球で出塁。菊池は盗塁を敢行。盗塁を成功させ、1死二塁。3番佐藤の四球の際にバッテリーミスの間に、1死一、三塁。4番木村はショートのエラーを誘う強襲の当たりで、まず菊池が生還し、1点を先制。
 5番戸高は犠牲フライと思われたが、センターが落球し、3番佐藤が生還し、2点目。1死二、三塁で6番鈴木の左犠飛で4番木村が生還し、3点目。7番小倉が四球で、二死一、二塁となって、8番水越の左翼線を破る二塁打で、二者生還し、5対0とする。

さらに2回裏、先頭の黒田が四球で出塁。すかさず盗塁を仕掛け、無死二塁。2番菊池も四球で、無死一、二塁となって、ダブルスチールを敢行。3番佐藤の左前適時打で2点を追加。その後は工学院大附の打線の勢いは止まらず11点を入れた。

その後も点を加えていき、工学院大附が24-0の5回コールド勝ちで都大会進出を決めた。


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壬生(工学院大附)

この試合は大差となったが、前半の工学院大附の攻め方を見ると、機動力をどんどん仕掛けていくチームと映った。
2回まで7盗塁を決めている。これは工学院大附・白滝監督の方針で、機動力を武器にするチームを作り上げてきたという。強肩捕手からでも走れるチームに。強肩を武器にする捕手から走るには、投手のフォームの癖などを把握することが必要だ。白滝監督は「盗塁は観察力が大事!」と練習中から走塁練習に観察力を磨くことを意識して取り組んできた。

「走塁は足が速ければ有利ですけど、それだけではありません。今年のチームは特別足が速い選手はおりませんですし、だからこそ観察力を磨いてきたんです」

今日7盗塁を決めたが、決して捕手の肩が弱いわけではない。相手捕手の村田は背番号1を付けるエース投手。ややモーションは大きいが、投手だけあってスローイングの強さは中々である。投手の真崎もクイックはしっかり行なっていて、簡単に盗塁を決められるようなバッテリーではないが、工学院大附ナインは初回で、走れる場面を掴んで、絶好のスタートを切って、盗塁をズバズバと決めていった。

ベースランニングを見ると無駄がなく、実に速いのだが、監督によると特別速い選手はいないという。
「このチームで特別足が速いという選手はいません。繰り返しますが、盗塁というのは足の速さよりも、いかに相手の癖を掴む観察力が大事だと思います」

機動力を仕掛けたことで結果的にどうなったか。

巣鴨の戦意を奪っていったのだ。

先発投手の真崎は盗塁をどんどん仕掛けられたことで、徐々にストライクが入らず大量点を入れた。走塁でかき回し、相手のペースに乱し、そして常にスコアリングポジションにランナーを置いて自分たちに優位に持ち込んでいった。この試合展開に白滝監督も「理想通り」と手応えを示していた。都大会でも持ち前の機動力で相手チームをかき回す野球を展開したい工学院大附。台風の目となるか注目してみたい。 

(文=河嶋宗一)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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