日大鶴ヶ丘vs足立学園
エース大高(日大鶴ヶ丘)
日大鶴ヶ丘のエース大高に熱視線!9回1失点で足立学園を下す
都大会1回戦の明大中野八王子戦に続き、この日も日大鶴ヶ丘のエース大高光(2年)が魅せた。
187センチの上背を生かした角度のあるボールを武器に、足立学園打線に9回を投げ、被安打7、10三振、1四死球で、失点1と好投。
足立学園ベンチとしては、一昨日の大高の投球を振り返って、各打者に「変化球でなく、真っ直ぐを狙っていけ」と伝えていたものの、序盤から大高はキレのあるスライダー、カーブで打者を翻弄。
足立学園が、やっと大高の球に慣れ始めたのは6回以降だった。打順が3巡目に入ったところで、大高の球を徐々にとらえ始める。
足立学園、3点ビハインドで迎えた8回表、先頭の8番宮野航(1年)が右前打を放つと、9番古家が送って一死二塁。ここで、前の打席でも中前打を放っていた1番一林拓哉(2年)に打席が回る。
「テンポも良いピッチャーだったので、とにかくいい球は見逃さないようにしました。1打席目から思っていたよりも変化球が多かったので、ストレート狙いですが、変化球対応もしながら打席に入りました」
一林は狙い通り、甘く入ったストレートをフルスイング。これがライト方向への二塁適時打となり、1点を返した足立学園。キャプテンでもある一林の一振りで、点差を縮めるも、最後は力及ばず。1対3で惜敗した。
長打も打った3番茂呂(日大鶴ヶ丘)
1回戦の明大中野八王子の延長11回を一人で投げ抜き、この試合でも9回1失点の好投をみせた大高は、試合をこう振り返る。
「一昨日の試合で球数を多く投げて、バテていたけど、逆に力が抜けたことでいいピッチングができました。これまでは四死球が多かったけど、今日は力まず投げたことが制球にもつながった。監督さんからも、どの試合でも8割くらいの力で投げろと言われているので、その感覚を掴むことが出来ました。次の試合でも、無駄なランナーを出さずに抑えていきたいです」と笑顔をのぞかせた。
一方で、日大鶴ヶ丘の萩生田博美監督は、打線を課題にあげる。
「まだ大高頼みのチームになっている。打つ方も戦いながら成長していってほしいですね」と試合後にコメント。
この日、日大鶴ヶ丘打線は、足立学園のエース木下幸太郎(1年)から7安打3得点。確かに4回以降は、チャンスの場面でランナーを還すことが出来なかった。
そんな中でも、4打数2安打と活躍をみせたのは、3番茂呂岳治(2年)。
1回裏には、チャンスを広げる右前打を放ち、6番西澤駿太(2年)の二塁打で2点目のホームを踏んだ。3回にも、追加点の足掛かりとなる三塁打を放つなど、チームの勝利に大きく貢献。それでも、試合後、茂呂に笑顔はなかった。
「チャンスの場面で打てなかったことが悔しい。後半に点が取れないのは、自分たちの課題ですね。攻撃では、もっと粘り強くやっていきたいです」そう反省の言葉を口にした茂呂。次は強打の佼成学園との対戦を控えている。エース大高をラクにさせてあげるためにも、萩生田監督や茂呂の言葉通り、打線の奮起は必要不可欠となりそうだ。
(文=編集部)