オリックスは山本の存在が圧倒的、榊原、西浦、広沢、太田が続く高卒4年目までの若手たち
山本由伸(都城-オリックス)
今シーズンのペナントレースは一軍人数、そしてベンチ入り人数が増枠されている。例年よりも連戦が多いこともあり、ベテラン勢を中心とした主力選手たちが積極的休養という形で、スタメンから外れるケースも多い。そんな状況も相まって、各球団が若手選手たちを一軍で起用する機会は増えている。
そこで各球団の若手、とくに高卒4年目(2016年ドラフト以降)までの選手たちがどのような活躍を見せているか振り返ってみたい。
西村徳文監督が辞任し、中嶋聡監督代行体制となったオリックス。中嶋監督代行は、中川圭太や杉本裕太郎といった二軍で好成績を残していた選手を抜擢すると、すぐさま結果を出し連勝に貢献している。中川は大卒2年目、杉本は大卒社会人出身の5年目の選手だが、二軍で結果を残すことで一軍への抜擢が今後も増えてくるかもしれない。
さて、高卒4年目までの若手に目を向けると、山本由伸(都城/2016年4位)の存在が圧倒的だ。改めて説明する必要はないが、すでにエース格の働きを行っており日本を代表する投手になりつつある。
同じ投手では、現在は登録抹消中だが、同学年の榊原翼(浦和学院/2016年育成2位)もここまで6試合に先発している。1勝2敗、防御率4.13と苦しんでいるが、昨シーズンの前半戦で快投を続けていた。再び一軍のローテーションに入ってくることが待ち望まれている。
野手陣では西浦颯大(明徳義塾/2017年6位)と廣澤伸哉(大分商/2017年7位)の起用が多い。西浦はすでに29試合に出場。主に守備固めや代走だが、中堅では後藤駿太の19試合に次ぐ11試合でスタメン出場を果たしており、打撃面での結果しだいではレギュラー争いに割って入ることも十分にありえるだろう。
両翼がジョーンズ、吉田正尚、T-岡田と守備に不安の抱える選手が多いチームだけに守備範囲の広い西浦がレギュラーとなれば守備面でのプラスも見込めるだろう。
高卒2年目の太田椋(天理/2018年1位)は7月中旬から、およそ1ヶ月間一軍に帯同。待望のプロ初安打を含む2本塁打を放ち、その爪痕は残した。オープン戦で好調だった宜保翔(未来沖縄/2018年5位)は右手有鉤骨の疲労骨折で離脱中。二軍では復帰しているものの、守備の出場のみで打席には立っていない。また、昨年のドラフトで入団したルーキーの一軍出場はここまではない。
オリックスは山本が抜きん出ているが、それ以外では榊原、西浦、廣澤、太田がチャンスを与えられている。チームが苦しい状況だけに結果を出すことで一軍に定着、そしてレギュラー奪取も夢ではない。高卒の若手たちが、立て直しを図るチームの救世主となることに期待がかかる。
【高卒選手のドラフト指名】
※2016年〜2019年ドラフト
<2016年>
3位:岡崎大輔(花咲徳栄)※現在は育成契約
4位:山本由伸(都城)
6位:山崎颯一郎(敦賀気比)※現在は育成契約
9位:根本薫(霞ヶ浦)
育2位:榊原翼(浦和学院)
<2017年>
4位:本田仁海(星槎国際湘南)
6位:西浦颯大(明徳義塾)
7位:廣澤伸哉(大分商)
<2018年>
1位:太田椋(天理)
5位:宜保翔(未来沖縄)
<2019年>
1位:宮城大弥(興南)
2位:紅林弘太郎(駿河総合)
4位:前佑囲斗(津田学園)
(記事:勝田聡)
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