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名将の采配対決に、快進撃同士の対決!6日秋季東海地区準決勝

2021.11.05

 秋季東海地区大会はベスト4が出そろった。来春のセンバツ大会の代表選考に重要な資料となる大会でもある。東海地区の代表枠は2校で、実質、決勝進出が代表決定への必須条件。東海地区大会準決勝は、代表決定戦といってもいいくらいである。4チームがどのような戦いをしていくのか、期待したいところである。

日大三島VS大垣日大

名将の采配対決に、快進撃同士の対決!6日秋季東海地区準決勝 | 高校野球ドットコム
松永陽登(日大三島)、西脇昂暉(大垣日大)

 38年ぶりの秋季県大会優勝で1位校として東海地区大会に進出してきた日大三島報徳学園で全国制覇の実績もある永田 裕治監督が就任して2年、「選手たちは、関西に比べたらみんな大人しいんで、監督が一人で下品に背中を見せながら引っ張っています(苦笑)」と語っていたが、「大分、選手たちも自己主張するようになって、大事な場面で自分のプレーが出来るようになった」という成果が、この大会でも出ているといっていいであろう。エースで4番を打つ松永 陽登を軸として、逞しさを増してきているようだ。

 大垣日大は、超ベテラン阪口 慶三監督の下、好捕手として注目度も高い西脇 昂暉主将を中心にまとまっている。阪口監督の信頼も厚いエース左腕の五島 幹士に加えて、この大会では1年生の右腕・山田 渓太の好リリーフもあって、勝ち上がってきている。驚くような球速があるというワケではないのだが、静岡享栄も見逃し三振が多いのは、球の切れ味がいいということであろう。準々決勝で敗れた享栄の大藤 敏行監督も、「打者の手元で微妙に動いているので、なかなか手が出せないで三振になってしまった」と嘆いていた。また、ここ一番というところで勝負を仕掛けてくる阪口監督の勝負勘の鋭さは衰えていない。

 試合は3、4点をめぐる戦いになっていくのではないかと思われる。日大三島が、大垣日大の投手陣をどう崩せるかがポイントとなりそうだ。

[page_break:至学館VS聖隷クリストファー]

至学館VS聖隷クリストファー

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伊藤幹太(至学館)、塚原琉星(聖隷クリストファー)

 準々決勝では、2度のワンポイントリリーフを含めて、選手のポジションが1試合で都合5回移り替わった選手もいるなどの戦い方で、三重県1位の三重を振り切って勝ち上がってきた至学館。一方、聖隷クリストファーは9回一死まで2点リードされていた試合だったが、三本間の挟殺プレーでの走塁妨害で流れが変わり、制球のいい中京の瀬戸投手から2つの押し出しで逆転勝ちというミラクルな勝ち方でベスト4に進出してきている。

 どちらも県大会2位校からの進出だが、至学館の麻王義之監督は、「今年のチームは、2017年のセンバツに出たときのチームとよく似ている。あの時も2人の投手を試合ごとに使い分けてきたけれども、今年も2人の1年生投手を軸に、投手陣は、まだ何人かいます。試合ごとにヒーローが入れ替わっていくところもよく似ている」と、チームの上げ潮のムードを感じている。麻王監督の言う「至学館祭り」は、大会を戦っていきながら、ますます盛り上がっている。

 聖隷クリストファーは、本来チームの柱となっていくはずだった弓達 寛之投手と河合 陸捕手のバッテリーが、ケガもあって万全ではないという中で、代わりの選手たちが十分に役割を果たして、運を引き寄せているという感じもある。準々決勝では、公式戦初登板という背番号9の塚原 流星が上村 敏正監督も驚く好リリーフを果たして、これが9回の逆転劇を呼んだとも言えよう。

 どちらも勢いに乗る、ミラクルな要素を持っているチーム。至学館の仕掛けに聖隷クリストファーが慌てなければ接戦となっていくのではないだろうか。

(記事:手束仁

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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