Column

激戦必至の夏を予感させた、春季鳥取大会を総括!

2018.05.10

 八頭が2010年以来、8年ぶりの春制覇を果たした春季鳥取大会。活躍の目立った選手、印象的な場面の振り返りを中心に、大会の総括を行いたい。

新体制の2校が結果を残した鳥取の春

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見事に優勝を決めた八頭

 決勝進出を果たした八頭米子北の両チームともに、今春監督が交代。八頭は2001年夏に一塁手として甲子園出場を果たした三田寛監督が、米子北はコーチとして指導にあたっていた松永智明監督が就任。“新体制”への移行から日が浅いという難しさもあるなか、即座に結果を出した形となった。

 八頭は、4番を任される金澤大成も50mを6秒台前半で走るなど、快足自慢の選手が揃う機動力が大きな特徴。エンドランを効果的に用いた攻撃、送球が逸れた際に次の塁を狙う姿勢が徹底されているなど、常にプレッシャーをかける攻撃を展開し続けた。

 長らく同校を率いた徳永昌平監督の教え子にあたる三田監督。現役時代に経験した徳永野球に自らの色を加えた「新制・八頭」で、今夏も盛り上げてくれそうだ。

 2013年以来の決勝進出となった米子北は、打力で今大会を席巻した。「計画的なウエイトトレーニングと、徹底してバットを振り込んできました」と松永監督が語るように、上位打線のスイングは迫力満点。中でも強烈なインパクトを放ったのは準々決勝・鳥取城北戦だ。

 昨秋準優勝、春季大会3連覇がかかる鳥取城北との大一番で、エース・楢原健汰が投げては5回を無安打無失点、打っては3ラン本塁打を3本放つ大活躍。試合は12-0の5回コールド勝ち。スコアはもちろん、エースが見せた離れ業には驚かされた。

[page_break:夏に向けて期待値が高いチーム]

夏に向けて期待値が高いチーム

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見事シードを掴んだ米子東

 鳥取城北だけでなく、昨秋優勝の米子松蔭も準々決勝で姿を消した。昨夏の決勝再現カードとなった米子東との一戦は、9回裏に米子松蔭が3点差を追いつき、延長戦にもつれ込む熱戦に。しかしながら、延長13回から実施されたタイブレークの末、2対5で敗退。連覇を狙う今夏はノーシードからの挑戦が決まった。

 熱戦の末、昨年に続く夏のシード権を掴み取った米子東は、森下祐樹福島悠高の2年生バッテリーが試合を重ねる毎に成長。夏に向けても楽しみな存在だ。

 昨秋に続く4強進出、3位決定戦では米子東に競り勝ち、山陰大会出場を決めた鳥取商は4試合で合計33得点と、昨秋から評判の打線が力を発揮した。

 昨秋4強の鳥取境は2回戦で米子工に敗戦。投手陣の層が厚いだけにここからの巻き返しに期待したい。

 昨秋の上位校、そして夏のシード権を獲得した4校以外にも力のあるチーム、選手が多く見られた今大会。もう一段階成長した姿を見せてくれる夏の到来を楽しみに待ちたい。

(文=井上 幸太

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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