試合レポート

鹿屋中央vsれいめい

2020.10.04

練習試合の雪辱、晴らす・鹿屋中央

鹿屋中央vsれいめい | 高校野球ドットコム
完封の峯山叶聖(鹿児島城西)

 鹿屋中央は初回、4番・金澤諒(2年)のライト前タイムリーで先制する。

 2回裏は一死一塁からエンドラン、盗塁を仕掛けて二、三塁のチャンスを作り、1番・宮里誠也(2年)の犠牲フライ、2番・馬庭龍也(2年)のレフト前タイムリーで2点を加え、序盤で主導権を握った。

 れいめいは3回から1年生左腕・本川瑛光をリリーフで送る。毎回走者を背負う苦しいマウンドが続いたが、追加点を許さず、試合を立て直した。

 鹿屋中央の先発右腕・峯山叶聖(2年)はれいめい打線を5安打完封。峯山を中心に堅守をみせた鹿屋中央が完封勝ちでシード校対決をものにした。

 「夏の練習試合で大敗していたのでリベンジしたかった」と峯山は言う。序盤は果敢に足も絡めて先手を取り、終始攻勢に試合を進めた。3回以降追加点が奪えなかったのは課題だが、峯山の力投にバックも好守で応え、強打のれいめい打線に本塁を踏ませなかった。

 直球の最速は130キロ後半に達するが「球速以上に切れがある」(山本信也監督)。球威に加えて手元で変化するカットボールが有効に決まって、れいめい打線に的を絞らせなかった。

 コンビネーションが見事にはまってピンチを脱したのが7回の場面だ。立ち上がりから快調に飛ばしていたが、後半になってボールが抜け出し、連続四球で無死一、二塁のピンチを招く。送りバントを好フィールディングで三塁アウト、空振り三振で二死までこぎつけたが、ヒットを打たれて満塁となる。

 9番の右打者・宮下翔樹主将(2年)はフルカウントまで粘ったが、峯山は勝負球に外角のカットボールを選択。タイミングを狂わせたサードゴロに打ち取った。「右打者に対して内角の直球を意識させ、外のカットボールを引っ掛けさせる」狙い通りの会心の配球で勝利への流れを決定づけた。

 2回は二死二塁からのセンター前ヒットで見事な好連携で本塁タッチアウト。3回は先頭打者にレフト線のヒットを打たれたが、レフト小園幸生(2年)が素早いセカンド送球でアウトを取った。終盤はセカンド宮里が難しい打球を度々処理して峯山を盛り上げた。

 九州大会をかけて準決勝は好左腕・西田恒河(2年)を擁する樟南に挑む。峯山は「左投手対策をしっかりして、守備から攻撃のリズムを作る野球をしたい」と意気込んでいた。

(文=政 純一郎

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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