試合レポート

履正社vs星稜

2020.08.15

履正社が見せた破壊力と徹底力による勝利

履正社vs星稜 | 高校野球ドットコム
小深田 大地 ※2019年10月27日の秋季近畿大会より

 昨夏の甲子園決勝を戦った履正社星稜の両チーム。その時の経験者がともに多く残っている中で、15日に再び激突した。

 先攻を獲った昨夏王者・履正社は、星稜荻原吟哉を攻め立てる。初回は星稜のミスなどで2点。そして2回には二死満塁から3番・小深田 大地のタイムリーなど打者11人の攻撃で6得点。8対0と試合のペースを握った。

 では荻原攻略のために、履正社は何を講じたのか。2回にタイムリーを放つなど4打数1安打2打点の3番・小深田はこのように語る。
 「右打者はスライダーが甘くなったところを狙っていく。左打者はインコース低めのスライダーさえ見極められれば、球数が増えて疲れてくる。そこで甘くなったら叩くことを話していました」

 4番の関本も同様に低めのボールになる変化球を見極めて、高めを狙っていくことをポイントとして語っていた。好投手攻略のための条件ではあるが、これを実行に移すのは難しい。また内山壮真主将が「各打者が打席の中で修正をしてくる」という修正力も履正社打線の怖さの1つ。

 こうしたところこそ、昨夏王者・履正社が強打である所以があり、それをいかんなく発揮したのが、2回までの攻撃だった。

 大量8点のリードをもらった履正社先発はエース・岩崎峻典。「ブルペンからどのボールでもストライクが取れる状態だった」と関本が語ったように、武器のカットボールを軸に星稜打線を圧倒。

 岩崎の場合はカットボールの球速帯は130キロ台となっているため、捉えるのは容易ではない。加えて140キロを超えるストレートなどを織り交ぜることで的を絞らせなかった。

 2回に星稜の3番・中田 達也に許した犠牲フライでの失点以降、三塁すら踏ませないピッチングを展開し。一方の履正社打線は星稜の2年生左腕・野田練に苦戦したものの、7回と9回にそれぞれダメ押しの1点を加えて星稜を突き放した。

 結果的に履正社が10対1というスコアで星稜を下すこととなった。

 試合後、関本主将は「倒すべき相手だと思っていたので、素直に嬉しいです」と喜びのコメント。一方の敗れた星稜・内山主将は「自分たちのスイングを貫くことで後輩たちに何かを感じてもらえたと思うので、受け継いでほしい」とメッセージを送った。

(取材=田中 裕毅)

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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