板野vs城南
板野・森井 絃斗、盟友の挑戦を「成長」で退ける
この試合、両チームの先発は共に「徳島中央リトルシニア出身」であった。板野の先発は中学時代から「1」を背負う最速150キロ右腕・森井 絃斗（3年主将・184センチ88キロ・右投右打）。対する徳島城南の先発は中学時代は背番号「9」だった鳴瀬 朝陽（3年・185センチ80キロ・右投右打）。いわば盟友とも言える2人はそろって好投を見せた。
特に一時はエースの座をはく奪されることもあった徳島城南・鳴瀬の奮闘は目を見張るものがあった。6回まで三塁を踏ませず1安打無失点。横手からナチュラルシュート回転で入るストレートと外角に逃げるスライダーをうまく活用していた。
ただ、じりじりとする試合展開の中でも森井は冷静だった。この日はネット裏で複数人が構えたスピードガン表示で最速146キロのストレートを見せ球にしながらチェンジアップと縦スライダーを駆使。6回裏に二死一塁から徳島城南5番・遠藤 駿平（3年・二塁手・168センチ74キロ・右投右打・石井町立石井中出身）の左翼線適時二塁打など初の連打を許しても落ち着いて7番・鳴瀬を見逃し三振。返す刀で7回表一死二塁からの打席では同点適時打を放ち、8回表二死二塁から3番・豊富 雅大（2年・遊撃手・175センチ68キロ・右投右打・板野町立板野中出身）の左前決勝打への確かな流れを築いた。
「まだまだ粗削りだけど、素材は申し分ない。力んだ中でも何球か1球ある指にかかったボールは走っているし、じっくりと時間をかけて一人前になってほしい」（MLBアトランタ・ブレーブス国際スカウト・大屋 博行氏・談）。盟友を退け、124球3安打3四死球6奪三振1失点完投した森井は、この試合で得たをさらなる「成長」に変えて、7月21日（金）14時から徳島城北と戦う2回戦に臨む。
（レポート＝寺下 友徳）
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