試合レポート

都立城東vs都立大島海洋国際

2015.07.12

都立城東、橋内大昂の一発でお目覚め!都立大島海洋国際は夏初勝利ならず

 梅雨の中休み、というには少々夏の匂いが色濃い7月12日、[stadium]明治神宮野球場[/stadium]では2回戦2試合が行われた。

第1試合は、都立城東都立大島海洋国際。99年01年と2度の甲子園出場経験のある都立城東は、昨夏、5回戦進出。そして、今の3年生が1年生だった2年前の夏は準々決勝に進んだ「都立の星」。先輩たちが築いてきた歴史を、自分たちも塗り替えていきたい。
一方、夏の大会初勝利を目指す都立大島海洋国際。開校10年の記念の年に、新たな一歩を踏み出すことができるのか。両校の対決は日差しがまだやや穏やかな8時34分、プレーボールとなった。

 初回、都立城東は5番・木曽 太賀の2点タイムリーで先行する。その裏の攻撃、都立大島海洋国際は、都立城東ナインの不安定な立ち上がりを突き、四球とエラーで無死二、三塁のチャンスを作る。3番・安中 渓太の打席でキャッチャーが後ろに逸らす間に、三走の中村 彰伸が本塁に突入。ブロックをかいくぐり1点を返す。
さらに都立大島海洋国際は3回表、一死満塁のピンチを切り抜けるとその裏、一死二、三塁から4番・酒井 海大が犠牲フライを放ち、同点に追いつく。この試合での奮闘ぶりにじわりじわりと数を増やしていった球場の都立大島海洋国際ファンが大盛り上がりを見せる。

 都立城東は続く4回、攻撃に入る前にベンチ前で車座になり気持ちを込めなおす。すると、この回先頭の8番・橋内 大昂の当たりはスイスイと伸び、ライトフェンスギリギリに吸い込まれるソロホームランに。都立城東があっという間に再びリードを奪う。この回更に1点、そして6回に2点、7回に3点と小刻みに点を重ねた都立城東が、9対2の7回コールドで勝利、3回戦へと駒を進めた。3回戦は7月16日、朋優学院と対戦予定だ。

 コールドゲームとはなったものの、点差ほどの圧倒的な力の差は感じられなかった。これまでの両校の歴史を見れば、この試合の都立大島海洋国際の善戦ぶりが目を引くと言ってもいい。都立大島海洋国際の落ち着いた守備、特に内野陣の鍛え上げられた守備に球場がうなる場面が多々あった。夏の勝利はまたもお預けとなったが、確実に力はついている。中盤以降の身体と精神のスタミナをつけることができれば、また一皮むけそうだ。次以降の戦いぶりを楽しみにしたい。

(文=青木有実子


関連記事
・第97回全国高等学校野球選手権大会特設ページ
・あの学校の取り組みは?!東京都の野球部訪問を一挙紹介!
・夏よりも熱い!全国の野球部に迫った人気企画 「僕らの熱い夏2015」

第97回全国高等学校野球選手権大会

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

関連記事

応援メッセージを投稿

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

RANKING

人気記事

2024.05.18

【秋田】明桜がサヨナラ、鹿角は逆転勝ちで8強進出、夏のシードを獲得<春季大会>

2024.05.18

【岩手】一関二、盛岡誠桜などが初戦を突破<春季大会>

2024.05.18

【関東】昌平・山根が2発5打点、東海大相模・4番金本が2ランなどで初戦を快勝、東海大菅生は山梨学院を完封<春季地区大会>

2024.05.18

【長崎】長崎西、島原中央などが初戦を突破<NHK杯地区予選>

2024.05.18

【春季関東大会】白鴎大足利・昆野が最速152キロを計測!前橋商の剛腕・清水はまさかの5失点…。チームもコールド負け!

2024.05.15

【全国各地区春季大会組み合わせ一覧】新戦力が台頭するチームはどこだ!? 新基準バットの及ぼす影響は?

2024.05.13

【24年夏全国地方大会シード校一覧】現在29地区が決定、愛媛の第1シードは松山商

2024.05.14

大阪体育大の新入生に兵庫大会8強の145キロ右腕、金光大阪の1番センター、近大附の4番打者など関西地区の主力が入部!

2024.05.17

「野球部や高校部活動で、”民主主義”を実践するには?」――教育者・工藤勇一さん【『新しい高校野球のかたち』を考えるvol.5】

2024.05.16

【宮城】仙台一、東北、柴田、東陵がコールド発進<春季県大会>

2024.04.21

【愛知】愛工大名電が東邦に敗れ、夏ノーシードに!シード校が決定<春季大会>

2024.04.29

【福島】東日本国際大昌平、磐城、会津北嶺、会津学鳳が県大会切符<春季県大会支部予選>

2024.04.22

【春季愛知県大会】中部大春日丘がビッグイニングで流れを引き寄せ、豊橋中央を退ける

2024.04.22

【鳥取】昨年秋と同じく、米子松蔭と鳥取城北が決勝へ<春季県大会>

2024.04.23

【大学野球部24年度新入生一覧】甲子園のスター、ドラフト候補、プロを選ばなかった高校日本代表はどの大学に入った?