阪神 41歳の超人「頼れるベテラン」として勝負強さ健在
糸井嘉男
一般的にプロ野球の世界では30代半ばを過ぎると、ベテランと呼ばれることが多くなる。
レギュラーや先発ローテーション、勝ちパターンといった主戦力としてバリバリ働いている選手がいる一方で、代打の切り札や守備固め、先発ローテーションの谷間など違う役割でチームを支える選手も多く存在する。
今シーズン、ここまで各球団のベテラン選手たちはどのような成績を残してきているのだろうか。各球団の35歳以上(2022年の満年齢)の選手の現在地を振り返ってみたい。
開幕から苦しい戦いを続けている阪神は、今シーズン35歳以上のベテランがふたりしかいない。そのひとりが糸井 嘉男(41歳)だ。
糸井は2017年に阪神に入団してから今年が6年目。3年目までは、まずまずの成績を残していたものの、ここ2年は規定打席に到達していない。とくに昨シーズンは打率.208(106打数22安打)と不本意な成績に終わっていた。
今シーズンは規定打席にこそ到達していないものの、ここまで34試合に出場。そのうちスタメンでの起用は30試合にものぼっている。そのなかで打率.278(108打数30安打)、3本塁打の成績は、年齢を考えれば大健闘といってもいい。また、得点圏打率が.394と勝負強く「頼れるベテラン」として存在感を発揮している。
そしてもうひとりが阪神に加入して2年目となるチェン・ウェイン(37歳)だ。昨シーズンは2試合の登板で1勝0敗、防御率3.86の内容だったが、今シーズンはここまで1軍での登板機会は訪れていない。
2軍では4試合に登板し15.2回を投げ防御率4.02といまひとつ。5月20日には今シーズン最長となる5.2回を投げ、2失点だったものの被安打9と打ち込まれている。外国人枠の問題もある。現在、外国人投手はアルカンタラ、ウィルカーソン、ガンケルの3人が1軍に登録されている。また、守護神候補として来日したケラーも2軍で調整中。ケラーは2試合連続で救援失敗となったが、2軍では14試合でわずか1失点。防御率0.69と安定した投球を続けている。チェンの1軍昇格への道は険しいと言わざるをえない。
日本人の投手では二保 旭(32歳)、生え抜きでは秋山 拓巳(31歳)がそれぞれ最年長だが、”ベテラン”と呼ばれるには少し早い。
<阪神の35歳以上の選手>※2022年の満年齢
糸井 嘉男(41歳)
チェン・ウェイン(37歳)
※数字は2022年5月21日終了時点
(記事:勝田 聡)