野球で大事な動体視力は身近なところで鍛えられる?今日から実践しよう!
動体視力を鍛えよう
眼球を支える眼筋をトレーニングし、動体視力を養おう
野球に限らず日常生活において、人間はさまざまな情報を受け取りますが、そのおよそ80%が視覚に由来していると言われています。スポーツをするときは「止まっているものを見る能力」である一般的な視力に加えて、ボールや相手チームの選手など「動いているものを見る能力=動体視力」もあわせて必要となってきます。動体視力で認知した情報を脳で処理し、次の行動に素早く動かすことが野球選手のパフォーマンスを向上させることにもつながります。
静止視力はものに対して焦点をあわせる眼球内部のシステムに由来し、視力が低下するとメガネやコンタクトレンズなどで矯正する必要が生じます。これに対し動体視力は眼球の動きに由来するため、左右の眼球それぞれ6本ずつある眼筋をトレーニングすることによって鍛えることが可能です。よく動体視力を鍛えるために動いている電車の窓から外の看板や駅名などを注意深く見ようとするトレーニングがありますが、これは横方向の動きを目で識別する能力を養う代表的なビジョントレーニングです。
車での移動で対向車のナンバープレートを瞬時に読み取るトレーニングは、遠方から接近する指標にピントを合わせる能力を養います。眼筋は筋肉ですのでトレーニングすれば鍛えられますし、特に何もしなければ加齢とともに衰えていきます。
この他にも自分でできる簡単なものとしては、両手の指を使ったトレーニングがあげられます。両方の親指を立て、顔を動かさずに爪の先を交互に目で追います。親指を左右や上下、斜め方向などさまざまな位置に配置したり、指の間の距離を長くしたり短くしたりすることで、素早く眼球を動かし、視線を切り替える能力である眼球運動を鍛えることが出来ます。
また両手にそれぞれボールを持っておき、左右同時に上に投げて左右同時にキャッチする動作は目と手の協応動作(二つの器官や機能が連動する動作)を鍛えることが出来ます。コーチがあらかじめボールを両手に持っておき、ふいに選手にボールをトスしたりしても面白いですね。コミュニケーションを図るだけではなく、選手のビジョントレーニングにもつながりますよ。
文:西村 典子
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