Column

【第97回宮城大会展望】仙台育英を中心に柴田、登米、石巻など実力校多数の宮城大会!

2015.07.04

 春季県大会では、公立勢が奮闘した宮城。の結果を糧に夏を迎えるチームもあれば、夏まで時間があった実力校もある。昨年は12年ぶりに4強入りが全て公立校だった。今年はどんな展開を見せるのか。

話題校が多い注目の仙台育英ブロック

佐藤 世那(仙台育英)

 春の県大会で優勝したのは仙台育英だった。昨秋は県大会東北大会に続き、明治神宮大会までも制した。今年のセンバツ大会では2回戦敗退だったが、優勝した敦賀気比に1対2の惜敗だった(試合レポート)。県内では投打に一歩リードしている。

 エースは最速144キロ右腕・佐藤 世那。フォークとスライダーが冴える。春の東北大会以降は佐々木 順一朗監督曰く「オーバーホール」で練習試合での登板がない。ほぼ、ぶっつけ本番となるが、経験値は高いため、心配はいらないだろう。
ゲームメークがしっかりとできる百目木 優貴春の県大会決勝で完投を見せている。1年春から公式戦マウンドを経験した小林 勇太はイップスに悩まされてきたが、克服しつつある。春の東北大会以降、練習試合では好投を続けている。

 打線は破壊力がある。足の速い攻撃的なリードオフマン・佐藤 将太、長打力のある2番・青木 玲磨に今秋のドラフト候補・平沢 大河が続く。派手さはないが、仕事をきっちりこなす4番・郡司 裕也に5番・佐々木 良介、6番・紀伊 海秀のパンチ力は凄まじい。7番・佐々木 柊野、8番・谷津 航大で上位につなげられる打線は切れ目もない。平沢は今春の東北大会初戦で死球を受け、右足小指を骨折したが、順調に回復している。昨年が4回戦敗退だった分、謙虚な心を持ち、慎重さもある仙台育英。2年ぶりの出場となるか。

 仙台育英のブロックでは、話題校が多い。昨夏準優勝の佐沼利府を指導してセンバツ大会出場経験のある小原 仁史監督の黒川。近年、力を付けている伊具村田の部長は、2001年センバツ大会仙台育英のエースとして準優勝した芳賀 崇さん。高校野球の指導者として初めての夏を迎える。その村田と1回戦で対戦する仙台一は、元プロ野球選手で野球解説者の佐々木 信行さんが非常勤コーチとして指導している。村田仙台一の勝者を迎え撃つ仙台三は、昨秋今春ともに8強入りしている。

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(登米、仙台育英、東陵)
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【僕らの熱い夏】宮城県仙台第二高等学校(2015年06月28日公開)
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[page_break:甲子園出場経験のある有力校が並ぶ柴田ブロック]

甲子園出場経験のある有力校が並ぶ柴田ブロック

佐藤 優悟(柴田)

 第2シードの柴田は、3番・糸井 優、4番・佐藤 優悟、5番・菅野 大樹のクリーンナップを中心とした攻撃力は抜けている。
今春の南部地区予選では4試合を戦い、計40得点。地区予選決勝も11対1と圧勝だった。県大会では、2回戦、準々決勝、準決勝を2ケタ得点で勝ち上がった。決勝は8回までゼロを並べられたが、9回に3点を取って意地を見せた。特に4番を打つ捕手の佐藤は、肩の強さ、足の速さ、打力で目立つ中心選手だ。

 柴田のブロックでは、甲子園出場経験のあるチームが揃う。
利府は春夏それぞれ1度ずつの出場がある。センバツ大会には2009年に21世紀枠で初出場。昨年は初めて宮城大会を制し、甲子園でも1勝を挙げた(試合レポート)。万城目 晃太小野 恵太濱田 恵多瀬戸 瑞希ら昨年を経験している選手たちがチームをけん引したい。

 春夏4度の甲子園出場を誇る古豪・仙台商は、 2002年夏の甲子園に出場した仙台西と初戦を戦う。仙台商佐藤 力也仙台西金 良丞とどちらも好投手を擁しており、好ゲームが予想される。

  2011年夏に初出場している古川工 2005年のセンバツ大会に21世紀枠で出場している一迫商も初戦で激突。古川工は、投打に柱となっている佐藤 宏太郎を中心に力を発揮したい。一迫商は10年前と変わらず、熊谷 貞男監督が指導するチームだが、今年の部員数は2年生2人と1年生7人の計9人。ギリギリの人数でどれだけ戦えるか。

  2012年センバツ大会に21世紀枠で出場し、選手宣誓も務めた石巻工は東北生活文化大高との初戦。東北生活文化大高の水沼 武晴監督は一昨年まで石巻商で監督を務め、東北大会に導くなど、その手腕は高く評価されている指導者だ。

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[page_break:登米を中心に実力校が揃うブロック/春季大会の巻き返しを誓う私学が集まる石巻ブロック]

登米を中心に実力校が揃うブロック

 今春の東北大会に初出場した登米は第3シードで夏を迎える。グッと伸びるストレートとスライダーのコンビネーションが光るエース・白岩 聖隆がいかに失点を抑えられるかがカギを握りそうだ。
県大会の[stadium]楽天Koboスタジアム宮城[/stadium]での試合ではマウンドの硬さが合わず、足を痛めるハプニングがあった。勝ち進めば、3回戦までは、中部地区予選で慣れ親しんだ[stadium]石巻市民球場[/stadium]での試合。準々決勝から[stadium]楽天Koboスタジアム宮城[/stadium]での試合になるため、気を付けたいところだ。勝負強さが光る4番・佐々木 幹太を中心とした打線もしっかりと援護し、春の勢いを夏も発揮できるか。

 登米のブロックには、塩釜岩ケ崎松島東北学院富谷といった実力校が並ぶ。松島は昨秋、県大会で3位となり、東北大会に初出場。東北大会では宮古商を下し、1勝もした(試合レポート)。はエース・鈴木 識史が万全ではなかったが、その間に我妻 大亮が台頭したのはチームにとって大きいだろう。

春季大会の巻き返しを誓う私学が集まる石巻ブロック

 第4シードの石巻は、ずば抜けた選手がいないが、粘り強い野球ができる。「凄いピッチャーや凄いバッターがいるわけではない、といことを選手たちが自覚して練習ができています。スッキリした、カッコいい勝ち方はしたことがなく、きれいに勝とうともしていません」と鈴木 将来監督は話す。

 石巻のブロックには、今春の県大会出場を逃した私学が入った。古川学園昨秋、エース・福泉 虎弥太を中心に県大会4強入りも今春は北部地区予選で2敗して県大会に進めなかった。東北聖和学園は、両校とも中部地区予選で好投手・大塚 康平に敗れたが、どちらも1つずつ勝つとと対戦する可能性があるヤマだ。東北の敗戦をきっかけに3年生が一丸となり、チーム力が上がっているようだ。

 今春、34年ぶりに県大会を戦った涌谷やタイプの違う4投手がいる仙台東にも注目だ。

(文=高橋 昌江

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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