試合レポート

都立片倉vs都立武蔵

2022.07.12

最速138キロ右腕ジョンソン要する片倉が完全投球リレー!5回コールドで3回戦進出

〈第104回全国高校野球選手権西東京大会:片倉18-0都立武蔵〉♢11日♢2回戦♢多摩市一本杉

 片倉の先発はジョンソン・マーカス太一(3年)。試合直前のベンチ前でキャッチボールする顔は笑顔でリラックスした表情、なおかつ自信にあふれているように見えた。

 初回から堂々たる投球で2三振を含む三者凡退に抑える完璧な立ち上がりを見せる。

 2回裏、片倉の先頭の4番・松永 睦生(3年)、5番・佐藤 奏斗(3年)が連打で出塁すると6番・遠藤 朗温(3年)の犠飛で先制。その後勢いに乗った打線が4連打し、打者一巡で5得点。

 3回裏には1死一塁から6番・遠藤が公式戦初本塁打を放ち2点を追加。打った遠藤は「いつも初球から積極的に狙っています」。実際に初球の高めに来た真っすぐを豪快に振り抜き左翼スタンドに運んだ。さらに勢いづいた打線はこの回遠藤の本塁打を含む7安打で11得点の猛攻だった。

 大量の援護を貰ったジョンソンは気持ちを緩めることはなかった。4回7奪三振無四死球で完全投球のままマウンドを降りた。最終回に登板した高岡 大(3年)も三者連続三振で試合を締め、5回を2人で完全投投リレー。
 ジョンソンが憧れるプロ野球選手は巨人の菅野 智之投手(東海大相模出身)。「常に冷静なところが好き」と話し、次戦も冷静に淡々と相手打線を打ち取る覚悟だ。
 この日観戦に訪れた母・真奈美さんに「楽しくやりなさい」と送り出され、最終的に公式戦初勝利をプレゼントした。

 一方、敗れた都立武蔵は9人で挑んだ夏が終わった。先発の主将・有川 絃樹(3年)が4回裏、一旦マウンドを退くも、次に登板した小林 悠真(3年)が一つアウトを取ったところで粘り切れず再びマウンドへ。「あと2つ、自分で絶対に抑える」という覚悟でマウンドに戻った。その後2つのアウトを重ね最後まで投げぬいた。有川は1年生から出させてもらい、「最高の3年間でした」とコメントした。

(取材=大松 優花

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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