試合レポート

我孫子東vs東海大浦安

2020.09.19

我孫子東、速攻劇を仕掛け、東海大浦安に勝利!エース・藤原が投打で活躍!

我孫子東vs東海大浦安 | 高校野球ドットコム
2番手・藤原 亮輔(我孫子東)

 

 近年、実力をつけている我孫子東。東葛地区の中学生を中心に構成され、部員数が多い東海大浦安に対しても速攻劇を見せる。

 1番・稲員 遼の右前安打、2番・牧野 巧空未の左前安打でチャンスを作り、3番櫻内 涼、4番藤原 亮輔、5番入内島 浩志の三者連続適時打で3点を先制、さらに3回表にも5番・入内島 浩志の犠飛、6番梅澤 我道のスクイズで5対0とする。

 我孫子東打線は上位を中心に能力が高い打者がそろう。1番・稲員は主将としてチームをけん引し、一歩目が早い中堅守備と強肩を持ち併せ、さらにミート力も高い外野手。3番・櫻内はシャープなスイングから広角に打ち分ける打撃が持ち味でさらに強肩。外野だけではなく、一塁も兼任し、攻守でまとまりのあるプレーヤー。

 4番・藤原 亮輔は今後の進化が楽しみな右の大型打者。176センチ85キロとがっしりした体型は強豪私学の選手と比べても見劣りしない。中学3年生の時に90キロを超えていたようだが、減量を行い、高校ではウエイトトレーニングを中心に行った結果、丸太のような両腕と分厚い太ももを手に入れた。

 
 重心を低く構え、小さなステップから捕手よりのポイントで振り幅が大きいスイングで鋭い打球を飛ばす。打球の勢いは違い、ツボに入れば本塁打量産も期待できる選手だった。ノーステップ気味の打法にしているのは、
7回からマウンドに登った藤原は右サイドから120キロ前半の直球とスライダーを投げ分けて打たせてとる投球スタイル。適正を考えれば野手だろう。7回裏にミスから1点を取られ、9回裏にも適時打を1点を打たれ、ピンチを迎えたが、粘り強く抑え、我孫子東が勝利を収めた。


我孫子東vs東海大浦安 | 高校野球ドットコム
金 韓根(東海大浦安)

 終盤、東海大浦安がチャンスを作り、我孫子東にとっては苦しい試合展開。それでも、藤原は「前半、自分たちに流れがありましたが、後半、絶対に苦しい流れが来ることはわかっていたので、粘り強く抑えることを心がけました」と語るようにピンチの場面でも粘り強い投球を実践した。

 我孫子東は私学に敗れることが多かったが、ついにその壁を破り、2回戦進出を決めた。「勝利ができてうれしいです」と笑顔を見せた藤原。2回戦では船橋東と対戦する。私学を破った勢いを2回戦にも見せていきたいところだ。

 敗れた東海大浦安は、3番手・中島 寛喜は5回を投げて9奪三振の好投。125キロ前後だが、切れの良い直球とカーブ、スライダーを投げ分ける投球は完成度が高く、今後の進化が楽しみな技巧派左腕だ。そして4番手・金 韓根は楽しみな本格派左腕。体格も良く、右足を勢いよく踏み込んでいき、テークバックを大きくとって、右肩を挙げることで角度をつけたフォームとなり、常時120キロ後半(131キロ)のストレートは威力があり、スライダーの切れも良く、来春には大きくスピードアップすれば、さらに目を引く逸材となるかもしれない。

 東海大浦安は各打者のレベルは決して低くないので、投打ともに激しい競争を行い、しっかりと引き上げができれば、来年は十分にシードを狙えるチームになれる可能性は持っている。

(記事=河嶋宗一

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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