試合レポート

聖徳学園vs都立五商

2020.07.20

ブレイク中の長谷川宙輝を輩出した聖徳学園から140キロ超え右腕が登場。大会初戦で躍動

聖徳学園vs都立五商 | 高校野球ドットコム
聖徳学園エース・松崎公亮投手

 今年の西東京は、調布シニア時代は捕手や外野手であった国士舘中西健登、調布シニアでは控え投手だった創価森畑侑大と、調布シニア出身で、高校に入って素質が開花した好投手が目立つ。そしてもう1人、調布シニアは外野手だった好投手が出現した。今プロ野球で注目されつつある左腕投手・長谷川宙輝を輩出した聖徳学園の右腕・松崎公亮だ。本人は最速140キロと言っているが、中里英亮監督は、「143キロくらいは出ていると思います」と語る。加えて、スライダー、カーブ、チェンジアップなども有効で、この試合では、緩急をつけた投球で都立第五商業(五商)打線を翻弄した。

 当然両チームとも久々の公式戦。しかも、全体練習を再開して間もないとあって、試合の入り方がうまくいかないと、試合が崩れてしまう。都立五商はエースの乙津晴葵が先発した。聖徳学園の1番・関口泰成が四球で出塁すると、すかさず二盗を試みたが、その球が暴投になり、一気に三塁に進んだ。そこで都立五商は急遽一塁手の西本文耶をマウンドに上げた。しかし2番・橋本尚樹のセンターへの打球を中堅手が捕球できず三塁打となり、聖徳学園はあっさり1点を先制。結局この回聖徳学園は4番・山縣悠孝の2点適時打など、2安打、6四死球に失策も絡み、一挙に6点を入れた。

 その裏マウンドに立った松崎は、都立五商打線を三者三振に抑えて快調な滑り出しになった。2回以降はやや力をセーブして、8番・石見悠泰の右前安打で1点を失ったものの、打たれたのは、この回だけだった

 聖徳学園は2回表にも1点、3回表にも3番・青木陸の適時打の他、相手投手の暴投で三塁走者だけでなく、二塁走者も生還するなど、都立五商の守備の乱れにも乗じて、4点を入れて試合を決めた。

 この回を抑えればコールドゲームが成立する5回裏、松崎は遊ゴロ2個であっさり2アウトとすると、8番・石見には、それまでとは明らかに力の入れ方が違う速球で3球三振に抑え、11対1の5回コールドが成立した。「最後は(三振を)狙っていました」と松崎は言う。初回の3人と最後の打者。松崎は三振を狙って取れるところが、力のある証拠だ。

 聖徳学園は、2回戦は明大明治と対戦する。明大明治に勝てば、次は創価戦が予想される。創価には調布シニアのチームメートであった森畑もいる。「本人も自覚して、真面目にやっています」と中里監督が評価する松崎。今は東京を代表する好投手になった森畑との対戦について松崎は、「やりたいですね。そして勝ちたいです」と、力強く語った。

(記事=大島 裕史

この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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