千葉敬愛vs船橋東
初の16強入りの船橋東の前に立ちはだかった千葉敬愛
1年生エース井尻(船橋東)
船橋東に舘野文彦監督が就任して、ちょうど1年が経った。
チームは1年生エースの井尻右征を中心に、着実に力を付けてきた。レギュラーの半数ちかくが1年生だが、昨年、舘野監督の船橋東への就任を耳にして、入学を決めた部員も多い。
そして、この秋、夏の千葉大会でも最高成績ベスト32だったチームが、秋季大会でも初のベスト16入りを達成。舘野監督は、
「進学校ながら、よくここまで勝ち上がってくれました」と振り返った。そして、初の8強をかけたこの日、千葉敬愛との対戦となった。
先に流れを掴みたかった船橋東だったが、初回。
先発・井尻右征は、千葉敬愛の1番吉原に三塁打を浴びる。ここから、2番小澤を三振、3番吉野を内野ゴロに打ち取るも、4番竹内に四球。
二死一、三塁の場面から、5番椎名にライトへの適時打を浴びて、1点を先制される。
「点を取られたあとが大事だと思っていました。次の打者を抑えられれば、流れを持ってこられると思っていました」(井尻)
しかし、甘く入った球を大澤はセンター前に弾き返す。続く、7番伊藤もレフト越えの二塁打を放って3対0。
なおも、二死二、三塁から9番山﨑麗弥(2年)。
山﨑にも、千葉敬愛のエース・吉野 涼(2年)への思いがあった。
「初戦から頑張って投げてくれて、この試合は疲れもあると思ったので、自分がここで打ってラクな気持ちで投げてほしかった」と、エースを盛り立てるライト前への2点適時打を放つ。
5対0とリードを広げた千葉敬愛は、3回にも、二死から、8番石井がレフト線への二塁打でチャンスメイク。続く9番山﨑の中前打、1番吉原の右前打で、7点目を挙げる。
つなぐバッティングをみせた9番山﨑(千葉敬愛)
船橋東は、4回には先頭・3番桃田の二塁打に、4番有田が死球で出塁し、チャンスを広げるも、後続を千葉敬愛の吉野に打ち取られ、ホームが遠い。
5回にも先頭の9番井尻が左前打を放つも、ここも好機を生かせず。
序盤の攻撃で流れを掴んだ千葉敬愛は、7回には、6番大澤が右前打で出塁。7番伊藤の犠打で一死二塁とすると、8番石井が左前打で還して、8対0。
その裏、吉野は、船橋東打線に2者連続三振。9番代打の朝比奈に四球を与えるも、最後は三振で斬って取り、7回コールドで試合を締めた。
試合後、千葉敬愛の山崎祐司監督は、
「今日は、つなぐバッティングを大事にしながら、吉野を中心にしっかりと守れたのが勝利につながりました」と語った。
また、先発した吉野は、
「初回に、先頭打者にヒットを浴びましたが、バントが多いチームだと頭に置いていたので、次の2番打者の犠打をセカンドで刺すことができたのが自分の中でも大きかった。次の試合でも、低めを意識して丁寧に投げていきたいです」と話した。
一方、ベスト16で敗れた船橋東の1年生エース井尻。試合後は、
「負けてしまいましたが、この秋季大会で、低めに自分の球を投げられれば抑えることが出来るという自信が持てました」と語り、来年に向けてレベルアップを誓った。
勝利した千葉敬愛は、準々決勝(28日)では木更津総合と対戦する。
(文=安田 未由)