【愛知展望】今年も東邦、愛工大名電などの愛知私学4強が中心！4強を追う学校は？

熊本 裕次 （愛工大名電）

　この秋も伝統の私学4強を中心とした展開になっていくことは間違いないだろう。その4校が比較的うまく散らばった形の組み合わせとなった。夏の代表校の東邦は、メンバーはほとんど入れ替わったが、甲子園帰りで新チーム作りの時間があまりなく夏の甲子園メンバーで試合経験のあるのは田中来起だけという中で、名古屋市内地区で1位になったのはさすがだ。このあたりは、チームとしてのシステムがしっかりとしているということでもあろう。ちなみに市内大会で2位となったのは中京大中京。3位に享栄、4位が星城となっている。

　2年連続夏の決勝で苦杯を舐めている愛工大名電は市内大会では、二次トーナメントの初戦で至学館に敗退した。その至学館と愛工大名電が県大会の1回戦で再び当たるのも注目だ。このBゾーンは、さらに勝ち上がれば準々決勝で東邦と当りそうで、最激戦といっていいであろう。知多地区大会の二次トーナメントで大府を下して2位に食い込んだ半田工や東三河3位の時習館などの戦いぶりも注目だ。

　混戦となりそうなのはAゾーンだろう。西三河を制した知立東を中心にした戦いになるだろうが、豊田西で実績を作った平林 宏監督が就任して手塩にかけた生徒たちのチーム作りとなった星城も面白い存在だ。東三河で2位となり気を吐く愛知桜丘、進学校ながら毎年好チームで選手の意識も高い刈谷、尾張地区では敗者戦から勝ち上がって何とか県大会に届いた愛知啓成も、県大会までには整備してくるだろう。このあたりの争いになるのではないだろうか。

磯村 峻平 （中京大中京）

　Cゾーンは中京大中京を中心に、豊川と大府に西三河地区で2位に食い込んだ安城東などの争いか。中京大中京は夏の経験もある磯村峻平と香村篤史の投手陣は健在だ。1年生の沢井廉も投打に期待が高い。夏のベスト8で知多の雄ともいえる大府は地区大会こそ3位に甘んじたが、やはりチーム力は高いだろう。2年前のセンバツベスト4の豊川は、それを見て入学してきた選手たちのチームとなり意識は高い。

　夏はベスト4まで進出した西尾東もこのゾーンにいる。夏はメンバー全員が3年生だったが、新チームに切り替わってもしっかりと県大会に進出してくるあたりは、寺澤 康明監督のチーム作りがしっかりとしている証であろう。

　今春の県大会を制し、夏もベスト8に進出して甲子園出場を果たした東邦に1点差。復活の兆しを示している享栄はこの秋も注目だ。初戦は岩津と成章の勝者との対戦となる。このゾーンは尾張地区1位の愛知黎明、知多地区1位の東浦などもいる。東浦は初戦で半田と東海商の勝者との対戦となり、知多地区大会の再現のようになった。

　ちなみに知多地区の二次トーナメントでは東浦は8対4で東海商を下している。東浦は夏のメンバーからバッテリーと打線の中軸が残り、戦力的にも高いであろう。近年上位に食い込むことの多い豊田工や豊田西、成章などとともに公立校勢の健闘が期待される。

　いずれにしても、突出して抜けた存在がない分だけ、混戦になっていきそうだ。まずは、来春の選抜への望みを託せる東海大会進出が目標となる。出場52校のいずれもが、その可能性を秘めているといっていいだろう。

（文＝手束 仁）

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