ロッテ・安田尚憲(履正社出身)にかかる2005年以降入団の高卒選手による初の2桁本塁打
千葉ロッテマリーンズの安田尚憲(履正社)
昨シーズンはあと一歩のところでクライマックス・シリーズ出場を逃したロッテは、このオフシーズンに大きく動いた。
国内FA権を行使した福田秀平(前・ソフトバンク)と美馬学(前・楽天)を獲得し、ジェイ・ジャクソン(元・広島)、フランク・ハーマン(前・楽天)といったNPB経験のある中継ぎ陣も補強。またドラフト会議では160キロ右腕の佐々木朗希を抽選で引き当てている。まさにストーブリーグの主役となった。
とくに佐々木は、その一挙手一投足を全野球ファンから注目を浴びていると言っても過言ではない。近年、高卒の投手は種市篤暉や岩下大輝、二木康太など結果を出しつつある選手が多く期待がかかるのも無理はない。
一方で高卒の野手はどうだろうか。2005年以降のドラフトで指名された高卒野手を見ると、結果を残しているのは田村龍弘ひとりだけしかいない。また、2桁本塁打を達成した選手は不在。2018年までホームランラグーンが設置されておらず、球場が少し広かったとはいえ寂しいものがある。
少し前の時代は高卒生え抜きのサブローや西岡剛、今江敏晃らが主力となってチームを引っ張っていたこともある。3人は長距離ヒッターではないものの、2桁本塁打は複数回記録していた。高卒野手の育成を行わない球団ということではない。
その証拠に近年は平沢大河、安田尚憲、藤原恭大と高校時代から名を馳せていた選手を競合覚悟で入札を行い抽選の末に獲得してきた。なかでも安田は、昨シーズン二軍とはいえ本塁打(19本)と打点(82打点)の二冠王に輝いた。オフシーズンにはプエルトリコでのウインターリーグにも参戦し、さらなるレベルアップに努めている。この春の練習試合ではすでに本塁打を放っており出足は悪くなく開幕一軍入りも見えてきた。
ブランドン・レアードや井上晴哉といったライバルは強力だが、打ち続けなければ道は拓けてこない。安田は一軍定着を果たし、2005年以降の高卒入団選手でチーム初の2桁本塁打を達成できるだろうか。
大型補強で戦力アップとなったのは間違いないが、内部からも新戦力が台頭することでチーム力はより一層上がるはずだ。
【ロッテの高卒野手】
※2005年ドラフト指名以降(育成はのぞく)
※☆は2020年シーズンNPB/MLB現役
※★は2桁本塁打経験者
細谷圭(太田市商/内野手/2005年高校生4巡)☆
佐藤賢治(横浜/外野手/2006年高校生2巡)
大嶺翔太(八重山商工/内野手/2009年3位)
江村直也(大阪桐蔭/捕手/2010年5位)☆
田村龍弘(光星学院/捕手/2012年3位)☆
香月一也(大阪桐蔭/内野手/2014年5位)☆
脇本直人(健大高崎/外野手/2014年7位)
平沢大河(仙台育英/内野手/2015年1位)☆
安田尚憲(履正社/内野手/2017年1位)☆
藤原恭大(大阪桐蔭/外野手/2018年1位)☆
(記事:勝田聡)
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