本拠地が広くても関係ない!日本ハム・万波中正にかかる30本塁打への期待
横浜高校時代の万波中正(日本ハム)
2月1日に始まった春季キャンプも終盤に入り、オープン戦が各地で始まった。同時に競争がシビアになっている。これまでの実績がない若手選手たちはオープン戦で結果を残すことができなければ、開幕一軍入りを果たすことができない。今まで以上に力が入ることだろう。
そんな中、日本ハムの万波中正に注目が集まっている。高卒2年目ながらここまで一軍帯同し続け、オープン戦初戦でも出番を勝ち取った。そこでは無安打に終わったが、まだチャンスはあるだろう。
そんな万波は横浜高校時代は40本塁打を放っており、目指すべきは長距離砲ということになる。
さて、日本ハムの本拠地である札幌ドームは広く本塁打が出にくい球場でもある。同球場に移転した2004年以降、日本人選手で30本塁打に到達したことがあるのは、中田翔と小笠原道大(現コーチ)のふたりのみ。長距離砲が育ちにくい環境と言ってもいいだろう。
30本塁打ではなく、2桁本塁打へと条件を下げてみたらどうだろうか。万波と同じように高卒でプロ入りを果たし、2桁本塁打を放った選手を振り返ってみたい。
2005年のドラフト以降、2桁本塁打を記録した高卒入団選手は陽岱鋼、中田翔、西川遥輝、大谷翔平、渡邉諒の5人となっている。
個別に見てみると西川は10本、渡邉は11本がキャリアハイとなっており、パワーが売りの打者ではない。しかし、陽は2014年に25本塁打を放つなど3度の2桁本塁打を記録している。また、中田は前述したとおり30本塁打をマークしており、大谷は「二刀流」という環境下ながら22本塁打を放っている。
意外かもしれないが、本塁打の出やすい神宮球場を本拠地とするヤクルトでは、同条件で2桁本塁打を記録しているのは村上宗隆、山田哲人ら4人しかいない。
昨シーズンの万波は二軍でチーム最多の14本塁打(298打数)を記録した。これはイースタン・リーグ4位タイの数字であり、中田の1年目(11本/198打数)よりも100打数の違いがあるとはいえ3本多い。長距離砲としての資質は十分にありそうだ。
外野のポジションを見ると、大田泰示、西川遥輝、王柏融、近藤健介、さらには松本剛や清宮幸太郎もいる。争いは激しく、レギュラーはもちろん一軍の枠に入ることも簡単ではない。そのなかで本塁打を打てるパワーを売りに一軍定着を目指すことになる。
広い札幌ドームを本拠地としていても関係なく本塁打を放つ選手に育てば、小笠原、中田につづく30本塁打到達も夢ではない。
【日本ハムの高卒野手】
※2005年ドラフト指名以降(育成はのぞく)
※☆は2020年シーズンNPB/MLB現役
※★は2桁本塁打経験者
※大谷翔平は投手での指名だが例外として記載
陽仲寿(福岡第一/内野手/2005年高校生1巡)☆★※現在は巨人、現登録名は陽岱鋼
今成亮太(浦和学院/捕手2005年高校生4巡)
中田翔(大阪桐蔭/外野手/2007年高校生1巡)☆★
大平成一(波佐見/外野手/2007年高校生4巡)
中島卓也(福岡工/内野手/2008年5位)☆
杉谷拳士(帝京/内野手/2008年6位)☆
西川遥輝(智弁和歌山/外野手/2010年2位)☆★
谷口雄也(愛工大名電/外野手/2010年5位)☆
松本剛(帝京/内野手/2011年2位)☆
石川慎吾(東大阪柏原/外野手/2011年3位)☆※現在は巨人
近藤健介(横浜/捕手/2011年4位)☆
大谷翔平(花巻東/投手/2012年1位)☆★※現在はエンゼルス
森本龍弥(高岡第一/内野手/2012年2位)
宇佐美塁大(広島工/内野手/2012年2位)
渡邉諒(東海大甲府/内野手/2013年1位)☆★
岸里亮佑(花巻東/内野手/2013年7位)
石川亮(帝京/捕手/2013年8位)☆
清水優心(九州国際大付/捕手/2014年2位)☆
淺間大基(横浜/外野手/2014年3位)☆
髙濱祐仁(横浜/内野手/2014年7位)☆
太田賢吾(川越工/内野手/2014年8位)☆※現在はヤクルト
佐藤正尭(愛知啓成/内野手/2014年9位)
平沼翔太(敦賀気比/内野手/2015年4位)☆
姫野優也(大阪偕星/内野手/2015年8位)☆
郡拓也(帝京/捕手/2016年7位)☆
今井順之助(中京/内野手/2016年9位)☆
清宮幸太郎(早稲田実業/内野手/2017年1位)☆
難波侑平(創志学園/内野手/2017年4位)☆
野村佑希(花咲徳栄/内野手/2018年2位)☆
万波中正(横浜/内野手/2018年4位)☆
田宮裕涼(成田/内野手/2018年6位)☆
上野響平(京都国際/内野手/2019年3位)☆
(記事:勝田聡)
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