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本拠地が広くても関係ない!日本ハム・万波中正にかかる30本塁打への期待

2020.02.24

本拠地が広くても関係ない!日本ハム・万波中正にかかる30本塁打への期待 | 高校野球ドットコム
横浜高校時代の万波中正(日本ハム)

 2月1日に始まった春季キャンプも終盤に入り、オープン戦が各地で始まった。同時に競争がシビアになっている。これまでの実績がない若手選手たちはオープン戦で結果を残すことができなければ、開幕一軍入りを果たすことができない。今まで以上に力が入ることだろう。

 そんな中、日本ハムの万波中正に注目が集まっている。高卒2年目ながらここまで一軍帯同し続け、オープン戦初戦でも出番を勝ち取った。そこでは無安打に終わったが、まだチャンスはあるだろう。

 そんな万波は横浜高校時代は40本塁打を放っており、目指すべきは長距離砲ということになる。

 さて、日本ハムの本拠地である札幌ドームは広く本塁打が出にくい球場でもある。同球場に移転した2004年以降、日本人選手で30本塁打に到達したことがあるのは、中田翔小笠原道大(現コーチ)のふたりのみ。長距離砲が育ちにくい環境と言ってもいいだろう。

 30本塁打ではなく、2桁本塁打へと条件を下げてみたらどうだろうか。万波と同じように高卒でプロ入りを果たし、2桁本塁打を放った選手を振り返ってみたい。

 2005年のドラフト以降、2桁本塁打を記録した高卒入団選手は陽岱鋼中田翔西川遥輝大谷翔平渡邉諒の5人となっている。

 個別に見てみると西川は10本、渡邉は11本がキャリアハイとなっており、パワーが売りの打者ではない。しかし、陽は2014年に25本塁打を放つなど3度の2桁本塁打を記録している。また、中田は前述したとおり30本塁打をマークしており、大谷は「二刀流」という環境下ながら22本塁打を放っている。

 意外かもしれないが、本塁打の出やすい神宮球場を本拠地とするヤクルトでは、同条件で2桁本塁打を記録しているのは村上宗隆山田哲人ら4人しかいない。

 昨シーズンの万波は二軍でチーム最多の14本塁打(298打数)を記録した。これはイースタン・リーグ4位タイの数字であり、中田の1年目(11本/198打数)よりも100打数の違いがあるとはいえ3本多い。長距離砲としての資質は十分にありそうだ。

 外野のポジションを見ると、大田泰示西川遥輝王柏融近藤健介、さらには松本剛清宮幸太郎もいる。争いは激しく、レギュラーはもちろん一軍の枠に入ることも簡単ではない。そのなかで本塁打を打てるパワーを売りに一軍定着を目指すことになる。

 広い札幌ドームを本拠地としていても関係なく本塁打を放つ選手に育てば、小笠原、中田につづく30本塁打到達も夢ではない。

【日本ハムの高卒野手】
※2005年ドラフト指名以降(育成はのぞく)
※☆は2020年シーズンNPB/MLB現役
※★は2桁本塁打経験者
※大谷翔平は投手での指名だが例外として記載

陽仲寿福岡第一/内野手/2005年高校生1巡)☆★※現在は巨人、現登録名は陽岱鋼
今成亮太浦和学院/捕手2005年高校生4巡)
中田翔大阪桐蔭/外野手/2007年高校生1巡)☆★
大平成一波佐見/外野手/2007年高校生4巡)
中島卓也福岡工/内野手/2008年5位)☆
杉谷拳士帝京/内野手/2008年6位)☆
西川遥輝(智弁和歌山/外野手/2010年2位)☆★
谷口雄也愛工大名電/外野手/2010年5位)☆
松本剛帝京/内野手/2011年2位)☆
石川慎吾(東大阪柏原/外野手/2011年3位)☆※現在は巨人
近藤健介横浜/捕手/2011年4位)☆
大谷翔平花巻東/投手/2012年1位)☆★※現在はエンゼルス
森本龍弥高岡第一/内野手/2012年2位)
宇佐美塁大広島工/内野手/2012年2位)
渡邉諒東海大甲府/内野手/2013年1位)☆★
岸里亮佑花巻東/内野手/2013年7位)
石川亮帝京/捕手/2013年8位)☆
清水優心九州国際大付/捕手/2014年2位)☆
淺間大基横浜/外野手/2014年3位)☆
髙濱祐仁横浜/内野手/2014年7位)☆
太田賢吾川越工/内野手/2014年8位)☆※現在はヤクルト
佐藤正尭愛知啓成/内野手/2014年9位)
平沼翔太敦賀気比/内野手/2015年4位)☆
姫野優也(大阪偕星/内野手/2015年8位)☆
郡拓也帝京/捕手/2016年7位)☆
今井順之助中京/内野手/2016年9位)☆
清宮幸太郎早稲田実業/内野手/2017年1位)☆
難波侑平創志学園/内野手/2017年4位)☆
野村佑希花咲徳栄/内野手/2018年2位)☆
万波中正横浜/内野手/2018年4位)☆
田宮裕涼成田/内野手/2018年6位)☆
上野響平京都国際/内野手/2019年3位)☆

(記事:勝田聡)

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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