第12回 東京都高野連審判 三井俊之介さん2014年05月22日

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 名門・早稲田実業野球部OBの三井 俊之介さん(26)は、大学3年生の時、青年海外協力隊の短期隊員として、約1ヶ月にわたって西アフリカのブルキナファソに滞在、現地の子供たちに野球を教える活動をしました。現在は、大手総合商社に勤める傍ら、東京都高野連の審判もしながら、ブルキナファソへの支援活動にも協力しています。その思いとは?

【目次】
[1]早実で学んだ『考える野球』がモットー
[2]野球はミスをカバーし合えるスポーツ
[3]今年、教え子たちが来日
[4]細く長く支援活動を

早実で学んだ『考える野球』がモットー

――三井さんは2006年斎藤 佑樹投手がエースの早稲田実業が、田中 将大投手(独占インタビュー 2013年03月02日)擁する駒大苫小牧を延長再試合で破って、優勝した年に3年生だったんですよね。高校時代を振り返っていかがですか?

三井俊之介さん(以下「三井」) 私自身は、2年生の秋大会は、ベンチ入りしていましたが控えでランナーコーチャーをやっていて、選抜出場を決める秋の優勝には一緒に参加していたんですけど、春夏はベンチ入りできなかったんです。ただ、甲子園にはずっと一緒に泊まっていて、いい経験をさせてもらったと思います。

――高校時代の教えで、今も生きていることはありますか?

三井 早稲田実業の練習自体、限られた時間の中で、あとは自分たちで何が足りないのか補う、というもので。自分に足りないものを徹底的に考えていたなという思いがある。そういう『考える野球』だったんです。
 和泉監督は『ノーサイン野球』っていうのをずっとおっしゃっていたんです。常にアンテナを張って、チームの為に何が必要かを考えてきたことは、今に多少なり生きてます。自分の中のモットーというか、大事にしている価値観ですね。
 監督さんは自分たちを信じて下さり、考える機会を下さったから、恐らく監督さんが想像していた以上のチームへと成長できたと思うんです。

 ですから、何かを教える時は、無理やり教えるよりは、ヒントを与えるというか。自分にしかできないものを気付かせるというのは、ブルキナファソでの指導でも生かせたと思います。
 子供たちを信じることの大切さですね。実際、彼らも私の想像以上に上達してくれたので、やはり自分で気づかせる環境作りが大切だと実感しました。

――高校卒業後、早稲田大学に進学されて、3年生の時、青年海外協力隊の短期隊員としてブルキナファソに行かれたんですよね。きっかけはなんだったのでしょうか?

三井 正直なところ、勢いです(笑)たまたま、野球、ソフトボールの指導者募集の案内を見つけて、面白そうだなと思って応募したら、受かったんです。
 もともと、2年間の隊員として、出合祐太さん(現『ブルキナファソ野球を応援する会』会長)という方が、現地にいらっしゃって、男子に「野球」を教えていたんです。そこで、女子には「ソフトボール」を普及したいので、その手伝いが必要ということで、私ともう1人社会人の方と、2人で行きました。

――実際に行かれて、ブルキナファソの第一印象はいかがでしたか?

三井 最初に着いた時は「何もないな」というのが、正直なところでした。道路も、すごい落差があったり、ぼこぼこで、暑いですし。これがアフリカなんだなっていうのを思って。野球のグラウンドも、当然整備されていないんです。野球場がないので、原っぱなんですよね。そこで牛飼いが放牧とかしていて、センターを見渡すと、牛がいたりとか、ライトがラクダとか、そんな勢いなんです。ボールにも糞とかついちゃうんですよね。なかなかすごい世界があるんだなって衝撃を受けましたね。
 ただ、不安というよりも、野球をやれることの楽しさの方が大きかったですね。現地にいた出合さんが熱心に指導されていたからか、子供たちが思っていた以上に、野球が大好きで。本当は週3~4回しか活動しない予定だったんですけど、毎日1ヶ月休みなしで野球をやったのですが、それも苦痛じゃなかったです。

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プロフィール

三井俊之介
三井俊之介(みつい・しゅんのすけ)
  • 東京都高野連審判
  • 早稲田実業高校卒。大学3年生の時、青年海外協力隊の短期隊員として西アフリカのブルキナファソへ。現地で子供たちに野球を教えた。
    現在は、大手総合商社に勤務、東京都高校野球連盟の審判として活躍する一方、ブルキナファソへの支援活動にも協力している。
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