目次

[1]声を聞いて集めて導き出した新ミットの形
[2]新ミットに搭載された新機能
[3]信頼される捕手を目指すなら

 グラウンドでは唯一守備に就いている野手に対して正面を向き、誰よりも声を出して的確に指示を送る。グラウンドの監督とも表現される捕手にとっては、投手、野手からの信頼をどれだけ勝ち取れるかというのが大事な要素となる。

 これまで、多くの捕手に話を聞いたが「信頼」というフレーズを多く耳にしてきた。捕手は、そのために練習からアピールを続けるが、そんな捕手のために、新たなミットが2022年より発売されていた。

声を聞いて集めて導き出した新ミットの形


 スポーツメーカー・ミズノ株式会社より新発売となった號(さけび)シリーズ。シリーズコンセプトに「投手からの信頼」というフレーズを打ち出してスタートした。このコンセプトは、「担当者総出でキャッチャーを中心に現場の意見を聞き、キャッチャーとは何なのかを知ったからこそ、決まりました」と企画担当者である茂木結矢さんは話す。

 ミズノでは今までグラブとセットでミットを制作してきたが、今回の號シリーズは完全にグラブと切り離し、ミットだけで製作をして「ミット市場でNo.1を目指す」ということを宣言してスタートした。

 その第1歩として、グラブとは形も用途も異なるキャッチャーミットを改めて知るために、自社のブランドアンバサダーを中心に選手へのヒアリングを重ね、コンセプトに「投手からの信頼」が打ち立てられた。

 このコンセプトについて、茂木さんは「少し新鮮な気はしました」と当時を思い出すとともに、コンセプトの実現化に至る苦労を口にした。
 「市場調査を通じて、球速をはじめ野球そのもののスピードが速くなったので、そこへ対応するために、自在に操作できるような軽量感あるミットが必要だろうということになりました。
 ただ軽量感は人によって感覚が異なりますし、軽くするために皮革や芯材を薄くすると耐久性が落ちることにもなるので、いかにバランスを取るかがポイントでした」

 今回の製作にあたって、プロ選手のグラブ、ミットにも携わる自社の職人とともに、完成までに試行錯誤を繰り返した。茂木さんは市場調査を通じて集めた声をミットに落とし込む。職人はプロ選手の用具に携わって培ったノウハウを落とし込もうと議論を重ねた。決して一筋縄ではいかなかった新たなミットの実現化だが、「完成した時のことを常にイメージして進めていきましたので、調査で集まった意見は生きましたし、支えになりました」と茂木さんは改めてユーザーの声がポイントだったと主張する。

 そのなかでも心に残っている答えがある。
 「ミズノはミットも良いと思います。ただ、なぜか他社のミットを使われている人が多いですよね」