目次

[1]手ごたえを感じながら登板無く終えた最後の夏
[2]今後の伸びしろに期待が膨らむ素材型パワー系ピッチャー


 8月に甲子園で行われたプロ志望高校生合同練習会に参加した最速142㎞/h左腕の千葉 葵。1年夏を最後に公式戦のマウンドから遠ざかっていたが、合同練習会では力強いストレートを披露した。

 表舞台から姿を消していた2年の間に何があったのか、そしてプロを目指すきっかけについて語ってもらった。

 後編の今回は夏の独自大会、そして合同練習会を中心に話を伺った。

前回までの記事はこちらから!
夏未登板もスカウトが熱視線。大型左腕・千葉葵(滋賀学園)が復活するまで【前編】

手ごたえを感じながら登板無く終えた最後の夏



ピッチングをする千葉葵(滋賀学園)

 夏の甲子園も中止になってしまったが、幸いなことに滋賀県では県の頂点を決める独自大会が開催されることになった。6月には練習試合でも登板し、「順調な感じで(調子は)上がっていました」と仕上がりには手応えを感じていた。

 独自大会ではベンチ入りし、ブルペンで投げる姿も見られたが、なかなか登板機会は訪れない。序盤に大量失点を許した準決勝の近江戦でも出番がなく、一度もマウンドに上がれないまま千葉の夏は終わりを迎えた。山口達也監督は千葉の状態をこう見ていた。

 「ちょっと時間が足りなかったなという感じはします。春先から徐々に良くなってきましたが、実戦経験がどうしてもなかったのですし、コントロールにバラツキもありました」

 確かにブルペンでの投球を見ていても、球威こそ戻っていたが、制球力に苦しんでいる印象はあった。「欲を言うなら1イニングだけでも投げさせて欲しかったと思います」と話しつつも、山口監督の采配にも理解を示している。

 「チームが勝つための監督の采配なので、それは納得しています。まだまだ伸ばせるところはあったと思うので、もう少し時間があったら、監督の理想にもっと近づけたと思います」

 本来ならここで高校野球生活が終わっていたが、千葉にはまだチャンスが残されていた。それはプロ志望届を提出した高校生を対象に行われる「プロ志望届高校生合同練習会」だ。独自大会後に「高卒左腕を探している球団がある」と山口監督に話を持ちかけられたことで、プロへの挑戦を決めた。

 合同練習会は甲子園で開催された。2日目にはシート打撃が行われ、5人の打者に対戦する。ここで好投することができれば、プロ入りへのチャンスを広げることができるはずだった。

 しかし、ここでも不運に見舞われた。前の投手の投球が終わり、千葉がマウンドに上がった直後のことだ。急に強い雨が降り出し、シート打撃は一時中断。なかなか雨は降りやまず、千葉の投球は雨天練習場で実施されることになった。

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