高卒プロ入りへ!独自大会で飛躍を誓う142キロ右腕・佐々木康(青藍泰斗)が見据える未来
4番の石川慧亮をはじめタレントが揃う昨秋の栃木県王者・青藍泰斗。関東大会では西武台に敗れたが、今夏の独自大会では注目される実力校だ。その青藍泰斗で2年生からエースを背負い、チームを牽引してきたのが佐々木康投手だ。
最速142キロを計測する直球を武器にスライダーやカットボール。さらにカーブやチェンジアップと多彩な変化球を使って打者を翻弄。タレント集団の青藍泰斗でエースとして活躍する佐々木だが、背番号1を付けるまでにはどのような道のりがあったのか。後編の今回は昨年の大会から学んだことや、これから始まろうとしている県独自の大会への思いを伺った。
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石川翔に続くプロ野球選手に!最速142キロ右腕・佐々木康が積み重ねてきた土台とプロ入りへの想い
エースとしてマウンドに上がり学んだこと
佐々木康(青藍泰斗)
1年間トレーニングを重ね、球速は142キロまでアップ。「冬場のトレーニングが上手くいって球速は一気に伸びました」と、積み重ねてきたものが確実に佐々木を成長させてきた。そして2年生の夏にはエースナンバーを背負って大会に出場。準決勝の文星芸大付戦を除き、全試合で先発登板。特に、準々決勝の宇都宮工戦では延長14回までもつれる試合を佐々木1人で投げ抜いた。
「最終回に気が緩んでしまい同点を許してしまいました。自分の中では『甘かったな』と反省しています。ですが、最後まで点差が開いていても負けないつもりで投げる大切さ。気がゆるんだらすぐに追いつかれることを強く感じることはできました」
準決勝の文星芸大付戦では7回からリリーフで登板するも2点を失い、チームはベスト4止まり。あと少しで甲子園を逃した悔しさをバネに秋の大会に臨み、決勝では再び文星芸大付と対決。1点を争う展開だったが、石川の犠牲フライでサヨナラ勝ち。見事優勝をして関東大会に駒を進めた。
その関東大会では西武台戦に2番手で登板するも、3.1回で5失点と結果を残せずチームも敗れ去った。一冬超えてさらなるレベルアップをして春を待っていた佐々木だったが、新型コロナウイルスの影響で活動は自粛。春の大会、さらには夏の甲子園と地方予選まで中止になる事態となる。
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佐々木康(青藍泰斗)
しかし栃木県では7月18日から独自大会となる、「2020年栃木県高校野球交流試合」を開催することが決まっている。佐々木にとってその大会は大きな意味を持つ大会となる。
「昔からプロ野球選手になりたい意識はありました。ですので、大会がなくなってアピールする場がなくなって正直不安といいますか、厳しいと思う部分もありました。ですが、『少しでも可能性があるならばかけたい』と思っているので、独自大会は大きな意味を持つと思っています」
大会に向けてスピンの利いたストレートで押しつつも、変化球でカウントを稼ぐ。佐々木の憧れでもある山本由伸投手(都城出身)のような投手になるイメージをもって練習に励んでいる。そんな佐々木の武器となっているのがカットボールだ。
「高校2年生まではスライダーを投げていましたが、それでは球速が遅いので打者に見分けられてしまうと思い、カットボール習得に踏み切りました」
元々使っていたスライダーの感覚が残り、曲がりが大きくなってしまうことに試行錯誤を繰り返した佐々木。しかし握りの改良を重ねたことで自分のピッチングを支える武器となった。
「スライダーの時は縫い目を横にずらして切るイメージで投げていました。しかし球速が遅くなってしまうので、見極められてしまうんです。
そこで曲がりを小さくするために、カットボールを投げる時は真っすぐに近い状態で、少し縫い目からずらして握ります。それ以外は真っすぐと同じ感覚で投げるようにしたら小さな曲がり幅になりました」
そして三振を取りに行くときに使うスプリット。2年生の夏から投げており、佐々木にとってはカットボールの次に大事な球種となっている。
最後に18日から開幕する独自大会への想いを語ってもらった。
「3年生にとって最後の大会ですので残念ではありますが、やってきたことをすべて出し切って、全試合勝っていきたいと思います」
チームを指揮する宇賀神健人監督も佐々木については、「秋の大会で一皮も二皮もむけてきた」と成長を感じ取っている。投手陣が課題だった青藍泰斗にとって佐々木の成長がチームの躍進に大きく関わるだろう。最後の夏に佐々木が再び成長した姿を見せれば、プロの世界も見えてくるはずだ。
(記事=田中裕毅)
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