今年も6月19日の開幕投手を任されたオリックスのエース・山岡 泰輔(瀬戸内出身)。山岡は172センチ68キロをフルに使う投球フォーム理論、トレーニング理論はもちろん、多彩な変化球についても注目をされている。その変化球の精度の高さはマニアックなプロ野球ファンから注目を浴びている。そんな変化球について山岡はどういうポイントで投げているのか。大舞台でも動じずに投げられる山岡のメンタリティはどこから生まれるのか。
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オリックス・山岡泰輔が語るタメになる投球理論vol1 「トレーニングの意識、取り組みが投球フォームにつながる」
投球の幅を大きく広げたカットボール

インタビューに答える山岡泰輔投手
山岡が投げる変化球はスライダー、チェンジアップ、カットボールがメインとなる。その中でカットボール、チェンジアップはストレートと同じ腕の振りで投げており、負担も少ないという。
「スライダーよりカットボールのほうが負担は少ないかなと思います。 僕は親指で切ることができなくて、人差し指と親指でひねるイメージで投げています。僕はどちらかと言うと、カットボールを縦に落としたいので、縦に回転を与えるイメージです」
さらに山岡は自分に見合う変化球を習得する必要性を語ってくれた。
「自分の場合、カットボールが良くなってからピッチングの幅が広がりましたね。
だからといって、カットボールを習得すればいいという話ではなく、投手の特性によって合う変化球が変わってきます。
僕の場合は真っ直ぐとスライダーがあって、カットボールは中間球の役割を果たしています。たとえば、真っ直ぐだと思ったらカットボールだった、スライダーと思ったらカットボールだったという。
そうなると相手側からすれば、狙い球が絞りにくくなる。人によっては役に立つ球種、自分の投球スタイルを活かせる変化球があると思うんです。自分の場合はカットボールという話で、自分の投球スタイルに見合うような変化球を使うと投球の幅が広がると考えています」
そして山岡はピッチング練習で一番大事にしていることはインコースの制球力を磨くことだと言う。
「自分は160キロを投げる投手ではないです。スピードで勝負できる投手ではないからこそ、身体の近くにしっかりと投げられることを大事にしています。右打者、左打者問わずインコースに投げる練習を繰り返し行っています。シート打撃でも同じことを意識しています」
まさに理にかなった投球理論である。