目指すはゴジラ超えの高校通算61本塁打。内山壮真(星稜)が語る攻守の課題【後編】
高校通算30本塁打のスラッガーだけではなく、スローイングタイム1.8秒台の強肩を誇る内山壮真。公式戦では打率538、2本塁打16打点の好成績を残したが、もちろん満足していない。打撃、守備の課題をどう向き合っているのか伺った。
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チームメイト、指揮官が絶賛する秀才型野球選手・内山壮真(星稜)の魅力とは【前編】
キャッチングはフラワーズ、スローイングは山瀬から学ぶ
内山壮真(星稜)
——— まず捕手としての課題はいかがでしょうか。
内山壮真選手(以下、内山) 守備のミスがたくさんありました。送球ミスもあり、まだ捕手としての課題も多いかなと思っています。
——— 捕手はキャッチング、スローイングなどいろいろなスキルがあると思います。具体的にどんなところが課題なのでしょうか?
内山 まずボディストップができていないです。そしてスローイング、配球など捕手としての技術が1つ1つできていないです。
——— ではキャッチングはどういうキャッチングができればいいなと思っていますか?
内山 投手が投げて気持ちいいと思えるようなキャッチングできればと思っています。
——— キャッチングだとプロ野球選手のキャッチングを参考にしているのはありますでしょうか。
内山 メジャーのタイラー・フラワーズ選手(アトランタ・ブレーブス)のキャッチング動画を見ています。高校生のうちにあんなに動かすのは良くないと思うんですけど、それでもフレーミングは見習っておきたいと思います。フラワーズ選手の体の持っていき方、コースによって動かし方は参考になると思います。
——— またキャッチングを磨くためにどんな練習法を行っていますか?
内山 コース別に素手で捕球する練習を繰り返しています。
——— 内山選手はスローイングが速いイメージはありますが、スローイングは意識しています。
内山 神宮大会の時は内野手のステップで上体で投げているところがありました。スローイングのコントロールはいまいちなところがありまして、ステップは意識してやっています。
——— ステップについては誰を参考にして取り組んできましたか?
内山 スローイングについては山瀬(慎之助)さんとずっと話して、一緒に練習をして、いろいろ相談しながら、改善していきました。
——— スローイングは右足を前に出す、もしくは左足を出すなどいろいろな考えがありますが、内山選手の場合はいかがですか?
内山 今まで内野手のステップだったので、右足の横を引いていく癖があったので、ロスがありました、捕球時に右足を投げ出す方向に出していきたいと思います。
山田哲人選手の打撃を参考に、高いレベルに通用する打撃を身に付けたい
インタビューを受ける内山壮真(星稜)
——— 打撃面だと体の使い方をどの選手を参考にしていますか?
内山 アルトゥーベ選手(アストロズ)や山田哲人選手(東京ヤクルト)の動画を見て参考にしています。山田選手はティーバッティングの動画が有名ですが、自分は試合を打っている映像を見て参考にしています。
——— 内山選手はどういうところから学んで磨いていますか。
内山 自分自身、バットの軌道はあまり良くないと思っているので、山田哲人選手のバットの軌道は無駄がなく、ラインに入って遠心力を使っていてそういうスイングを身に着けたいと思います。
——— 内山選手の打撃を見ると、すくいあげるスイングをするイメージはあるのですが、内山選手自身はいかがでしょうか?
内山 それも直したいと思っていて、救い上げることは悪いわけではないです。ただ救い上げすぎてバットの軌道が悪くなって、調子が悪くなる原因の1つになっているので改善していきたいと思います。
——— 選抜は好投手も多いです。今のままでは通用しないという考えでしょうか?
内山 それよりももっと先を見ています。高校までは何とかなると思いますが、プロに行ったときは今のスイングはだめだと思っています。そこのレベルを見据えて打撃を改善していますし、普段の自主練習はずっと木製バットで、バッティングを行っています。
インタビューを聞くと、攻守へ向けてしっかりと課題に向き合って取り組んでいることが分かる。林和成監督に内山についての評価を聞くと、ほかにはない選手だと評価している。
「まずプレーに対する視野がかなり広いですよね。やっぱり野球観、野球脳はほかにないもの彼は持ってます。色んなポジションが守れて、さらに器用で、体の使い方もうまい。万能型の選手だと思います。なかなかこういう子とも巡り合えないので。奥川(恭伸)とはまた違うすごさがあります」
そして、内山は個人としての目標を聞くと、「高校通算61本塁打」と挙げた。
「松井秀喜さんが60本塁打なので、その60本を超えたいと思っています」
現在、高校通算30本塁打。内山の技術の高さならば到達する可能性を持っているが、約2年の公式戦で積み上げた30本を半年のペースで打つということである。これまでにない進化を内山自身は求めている。
昨年は投手・奥川恭伸が数々の伝説を残した。今度は打者として内山が甲子園の舞台で伝説を残す活躍を見せていく。
(記事=河嶋 宗一)
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