Interview

チームメイト、指揮官が絶賛する秀才型野球選手・内山壮真(星稜)の魅力とは【前編】

2020.02.25

 長い星稜野球部の中でも秀才型の野球選手として評される内山壮真星稜)。富山出身の内山は中学から星稜の門をたたき、トップレベルの活躍を見せてきた。

前回10月に自身の野球人生を語ってきたインタビューをお送りしたが、今回はチームメイト、指揮官は内山をどう見てきたのかを語ってもらった。

チームメイトが語る内山壮真

チームメイト、指揮官が絶賛する秀才型野球選手・内山壮真(星稜)の魅力とは【前編】 | 高校野球ドットコム
インタビューをうける内山壮真(星稜)

 星稜中時代は1年からレギュラー。内山自身は「自分が入る選手だとは思わなかった」と驚く。

 だが、星稜中から一緒にプレーしている選手たちは別格の選手だと認めていた。

エースの荻原吟哉は「入学当時は体つきは人より違っていました。身長があるわけではないのですが、太ももが太かったし、プレーも上手かったですし、こんな選手と星稜中で一緒にプレーができると思いました」と驚きを見せ、知田 爽汰は「みんなよりずば抜けていて1年生からスタメン。何やってもすごいという感じですね」と絶賛する。

 そして中学軟式代表入りし、星稜高校に進んでからも1年春から試合に出場。内山にとっても驚きだったが、林和成監督も能力の高さを買っての起用だ。中学時代では捕手だったが、あえて経験のある遊撃手として守らせた。それは周囲に内山の能力を認めさせることだった。

「まず捕手というポジションは、私が見た中でも最も肩が強い山瀬慎之助(巨人)がいました。彼が捕手以外だと、一塁しかなく、捕手・山瀬というのはどうしても外せないんです。
 内山は内野ならばどこでもできますし、やはりいろんな人に認めてもらうためにはどこでもできる万能型という所を一年生からショートを守ることによって理解してもらえるのではないかと。ただその期待を超えていきましたね。技術だけではなく、考え方もしっかりしていて、性格も良い。上級生からも一目置かれていました」

 1年夏から甲子園に出場。1年秋もショートとして明治神宮大会準優勝。2年春のセンバツ甲子園では6打数0安打に終わり、本人としても悔しさが残る大会だったと振り返る選抜だったが、それでも内山の能力は潜在能力の高さは評価されており、日本代表候補入りし、研修合宿に参加した。

[page_break:1つ1つの練習の所作から見える意識の高さ]

1つ1つの練習の所作から見える意識の高さ

チームメイト、指揮官が絶賛する秀才型野球選手・内山壮真(星稜)の魅力とは【前編】 | 高校野球ドットコム
内山壮真(星稜)

 
 研修合宿の内山の姿は、驚きのものがあった。選抜で無安打に終わったからこそ、その衝撃は今でも忘れられない。この研修合宿の打撃練習、紅白戦ではもちろん木製バットを使用する。

  打撃練習では、中田翔を思い出させるような遠心力を生かしたフルスイングで次々と長打を飛ばし、3年生選手に負けない打撃をしていたのだ。研修合宿の紅白戦では思うような活躍はできなかったが、1年春から騒がれるのが分かる打撃内容だった。同じ衝撃は甲子園期間中の練習でも実感する。

 開幕前日の練習日。球場に現れた内山の姿を見ると持っていたバットは木製バットだった。この日に行われた実戦形式の打撃練習で、次々と快音を響かせた。内山は求める「強いスイング」。その実現へ向けて心がけていることは。

「僕は当たるまでの過程を一番、大切にしています。理想のバットの軌道、ポイントで捉えることを意識しています」

その確認として、木製バットの打撃練習があるのだ。そういった高い意識で練習をしていたからこそ夏の甲子園で2本塁打を放ったのだろう。

 甲子園決勝を戦い、石川に戻った翌日の8月24日から新チームの練習試合がスタートし、内山は正捕手&主将としてスタートした。昨年9月、チームをまとめる苦労さを振り返っていたが、それでも北信越大会優勝を果たした。星稜の選手たちは自ら課題を設定し、動画を見ながら、レベルアップに努める選手たちが非常に多い。その雰囲気は「内山が作りあげたもの」だと林監督は語る。

「やはりチームというのはキャプテン、リーダーの人間性によって周りが感化されるようなところもありますし、惹きつけられるということもあります。やはりリーダーというのは大事ですよね。非常に負担のあるポジションだと思いますが、内山の場合、しっかりとチームを自分の色に染めていますね」
 内山はこの半年のチームの変化をこう振り返る。

「チームの中が出来上がってない状態で挑んだ公式戦で、すごい不安な部分はあったんですけど、試合重ねるたびに成長っていうかしっかり一つ一つ課題クリアできたので優勝できたときはすごい嬉しかったです。新チームの時は強くバットを振ることを心がけ、公式戦として結果に現れたと思いますが、その分、守備練習が少ない分、課題と思っています」

 今や現代型の星稜野球部を作り上げた内山。大黒柱として活躍するためにどんな課題を設定しているのか。それは後編のインタビューで紹介したい。

(取材=河嶋 宗一

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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