2019年日本一を達成した福岡ソフトバンクホークスの中継ぎ陣の一角を担った甲斐野 央。常時150キロ中盤の速球と140キロ台のフォークを武器にする剛速球右腕の甲斐野は1年目、中継ぎとして65試合に登板し、日本一に貢献した。またプレミア12代表にも選ばれ、濃密な経験を味わった甲斐野は2年目も活躍するためにどんな課題に取り組んでいるのか。改めて思いを聞いた。
失敗した自分を想像してマウンドに登った

力投する甲斐野央(福岡ソフトバンク)
1年目からハイレベルなサバイバルを勝ち抜き、フルシーズンを投げぬいた甲斐野。新人ならばとてつもない緊張感がかかる中継ぎというポジションで、実力を発揮するために取り組んだことは「失敗した自分」をイメージすることだった。
「一度、失敗した自分を想像してマウンドに登ります。なぜそういうことをするのかというと、一度失敗した自分を想像していくと、もう失敗できないと思うじゃないですか。緊張感をどうプラスにできるかを考えてきました」
その取り組みが功を奏し、デビューから新人記録を更新する13試合連続無失点を記録するなど、良い出だしを切った。しかし東洋大時代から中継ぎとして登板する経験はあったものの、1シーズン登板するのは初めての経験。打たれる試合もあり、最終的には防御率4.14に終わり、悔しさが残る数字となった。
1年目のシーズンを終えて甲斐野は「3、4連投は初めての経験でしたし、不調の状態でマウンドにも上ったこともありました。その中でもいろいろな方から修正方法を聞きながら取り組んできました」
1年目を終えて、甲斐野は3つの課題を挙げた。
・コントロール
・真っすぐの切れ
・投げるスタミナ
150キロ中盤の速球と切れ味鋭いフォークのコンビネーションがはまれば大学時代は当たり前のように抑えることができた。しかし、「150キロを出してもプロは簡単にはじき返されますし、その3つが課題となりました」
その3つの課題を乗り越えるために、オフシーズンは絶対的なクローザー・森 唯斗に「一流選手の練習の仕方を学びたい」思いで、グアムの自主トレに帯同。体も以前よりも大きくなり、体づくりについては順調に手ごたえを感じている。