Interview

高校ラストイヤーは「勝てる投手」を目指して3年連続の甲子園へ 笠島尚樹(敦賀気比)【後編】

2019.10.20

 最速145㎞/hのストレートを武器に2年生エースとして今夏の[stadium]甲子園[/stadium]で16強入りの大きく貢献した敦賀気比笠島尚樹。昨夏の甲子園では1回3失点とほろ苦い全国デビューとなったが、今夏には見違える姿を見せた。そこに至るまでの取り組みや来年に向けての意気込みを伺った。

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ほろ苦い甲子園デビューから1年・・・2年生エースへと成長を遂げた笠島尚樹(敦賀気比)【前編】

飛躍的な成長を遂げた今夏の甲子園

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笠島尚樹(敦賀気比)

 前回の[stadium]甲子園[/stadium]では緊張で本来の力を出し切れなかったが、今夏の[stadium]甲子園[/stadium]では落ちついて試合に入ることができていたという。

 
「あの試合は球場に入った時はずっと緊張していたんですけど、グラウンドに出たら全然緊張しなくて、周りも見えていました。試合の入りが良かったので、そのままチームに流れを作れたと思います」

 立ち上がりを連続三振という絶好のスタートを切ると、3回までパーフェクトに抑える好投を見せる。1点リードの4回裏に重盗から同点とされるが、その後もテンポの良い投球を続け、3安打1失点で完投勝利を飾った。

 また、[stadium]甲子園[/stadium]で飛躍的に伸びたのが球速だ。夏の大会が始まる前での最速は139㎞/hだったが、1回戦の富島戦で144㎞/h、2回戦の国学院久我山戦で145㎞/hと立て続けに自己最速を更新している。当の本人もここまでの球速が出たのは驚きだったようで、「なんで145㎞/hが出たのかわからないです。アドレナリンですかね」と苦笑していた。

 「大会全体でレベルアップできましたし、チームにとってもプラスになったと思います」と笠島にとって充実した大会となった。しかし、3回戦の仙台育英戦では5回、6回に打ち込まれて4失点。連打を浴びた原因をこう振り返った。

 「投げる球が最終的になくて、狙われました。外す球がなかったのが足りなかったところです。外せる球があったら結果は全然違ったと思いますし、もしかしたら抑えられたのかもしれないのですけど、そこは僕の力のなさを感じた5回、6回でした」

 回を追うごとに笠島の投球に対応した仙台育英打線に対して、投げる球がなくなってストレートを痛打された。翌年の[stadium]甲子園[/stadium]でリベンジするためにより自身の投球を磨こうと今も努力を重ねている。

 「足りなかったところを埋めていくしかないと思っているので、ストレートや変化球を磨くことを意識して練習しています。負けた原因は僕にあるので、もう一回キッチリ取り返しに行くという想いがあります」

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3年連続の甲子園出場に向けて

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笠島尚樹(敦賀気比)

 笠島の取材は北信越大会開幕前の10月3日に行ったが、15日の北信越大会準々決勝で日本航空石川に敗れて、センバツ出場はかなり厳しくなった。[stadium]甲子園[/stadium]でリベンジする機会は夏しかない。高校ラストイヤーで目指すは勝てる投手だ。

 「勝つことが大切だと思うので、勝てるピッチャーを目指してやっていきたいと思います。大会は最終的に勝てれば良いと思っているので、試合を組み立てられるピッチャーですね。球速は出せるだけは出したいと思っていますが、数字よりもキレだと思うので、球速以上に速く見せることを意識してやっています。変化球はダルビッシュ有投手(カブス)のスライダーや球種が多彩な金子千尋投手(日本ハム)の動画を見て勉強しています」

  同じ北信越地区には星稜奥川恭伸がチームを準優勝に導く活躍を見せた。春の北信越大会で投げあった笠島も当然意識する投手だ。間近で投球を見たことで参考になる部分もあったようだ。

 「変化球は凄すぎて盗めなかったですけど、力の入れ具合とか打者によっての切り替えが凄かったので、そこは真似してみようと思いました。少しでも追いつけるようにという想いはあります」

 2年生の時点で145㎞/hを投げたことで翌年のドラフト候補にも挙げられている。「プロへの憧れはありますけど、来年の春、夏と結果を残してからだと思っているので、そこまではまだ考えていないです」とまだ気持ちは固まってはいないようだが、いずれはプロへの道に進むことを希望している。

 将来は「最多勝を取れるようなピッチャーになりたいと思います」と目標を語る笠島。まずは夏の福井大会を勝ち抜いて3年連続の[stadium]甲子園[/stadium]出場を目指す。

(取材=馬場 遼

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この記事の執筆者: 高校野球ドットコム編集部

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