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第1066回 世代トップの巧打者・内山壮真(星稜)が語る秀才的な感覚 そしてラストイヤーへの決意【後編】2019年10月23日

【目次】
[1]内山が語る「強いスイング」の本質
[2]4番打者としても、チームとしても日本一へ
星陵高に入学当時から主力打者として活躍した内山 壮真。センバツでは全く活躍できず、非常に悔しい思いをした。あれから内山はどんな課題をもって夏の活躍につなげたのか。
内山が語る「強いスイング」の本質

内山壮真(星稜)
センバツの悔しさを晴らすために、夏へ向けて、今まで以上に練習量を増やした。
「結果を出せなかったのは、自信のなさ、練習量の少なさがあったと思います。自分に自信を持てるぐらい練習の量をこなしていきました」
その結果、夏の石川大会では2本塁打を放つ。全体的にライト方向にも強い打球を放っており、内容のある打撃だった。
「石川大会は調子が良くなかったですが、強いスイングをできたと思います」
内山の言葉でよく聞かれる「強いスイング」。これは内山に限らず、他の選手からも聞かれる言葉である。では内山の場合、「強いスイング」を実現するために意識していることは何か。
「僕は当たるまでの過程を一番、大切にしています。理想のバットの軌道、ポイントで捉えることを意識しています」
また、内山の打撃フォームで見られるのは回転を重視していることだ。捉える瞬間、腰を一気に回転させるイメージで振り抜く。
「体の回転を使いながら、バットを強く振るのは、小学校の時から行っていたことなので、意識というよりも、自然にできていると思います」
野球を始めた時から小さくまとまらない姿勢が今の内山を形作ったのだろう。
そして甲子園ではいきなり旭川大高の144キロ右腕・能登 嵩都と対戦するなど、好投手との対戦が続いた。
「最初は自分のタイミングが取れず、苦労した部分はありましたが、徐々に修正できました。最初に良い投手と対戦できたことで自分の課題を把握できました」
その言葉通り、調子を上げた内山は甲子園・準々決勝の仙台育英戦で2本塁打を放つなど、大会を通して活躍を見せた。
「まず1本目はしっかりとスイングができたホームランでした。2本目は泳がされた形でしたが、打つまでの過程が良く、いいポイントで打てたのでホームランになったと思います」
センバツに比べて活躍を見せ、甲子園準優勝という結果を残したものの、内山には悔しさしか残らなかった。
「準優勝とはいえ、悪かった部分しかないです。決勝戦は4番の差を感じました。履正社の4番の井上さんが3ランを打ちましたが、4番として勝利に導く仕事とは何か、4番の打撃がどれだけ勝敗に結びつくかが分かった試合でした。4番打者としての打撃を磨いていきたいと思いました」