第957回 前U-15侍ジャパン監督・清水隆行氏が読売ジャイアンツ時代に実践し続けた「一流の習慣」vol.32019年06月15日

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「なぜ」を突き詰め正解は自分で出す



昨年のU-15日本代表選手を振り返る清水隆行氏

 清水氏は2009年に現役引退後、ジャイアンツの打撃コーチを5年間つとめ、2017~2018年には侍ジャパンU-15の監督もつとめた。当時U-15日本代表だった選手たちの話になるとパッと顔が明るくなる。

 「2018年の第4回WBSC U-15ワールドカップメンバーでいうと、花田旭くん(大阪桐蔭)はセンター、小畠 一心くん(智辯学園)はライトだったのですが、具体的にどうこうではなく、雰囲気がいい身のこなしをするのが印象に残っています。
 畔柳亨丞くん(中京大中京)は右のピッチャーで、チームの中では最もバランスがよく力的には一番上でした。同じピッチャーでは金井 慎之介くん(横浜)も腕が長くておもしろい存在で。

 池田 陵真くん(大阪桐蔭)は中学野球界のスーパースターで知らない人はいないと聞いていましたし…、有名といえば鈴木唯斗くん(東邦)はドッジボール界のスーパースターと聞いてました。たしかにすごいボールを投げるんですよ(笑)。今はまだ中学3年生ですけど、福原聖矢くん(安仁屋ヤングスピリッツ)は足が速く野球頭がいい。自分で考えて右方向とかに打てるんです。今後が楽しみな選手ばかりですね」

 U-15日本代表では、彼らが持続的に成長していくために、ここまで述べたような「考える野球」を伝えた。
 「15歳時点ではまだ理解できていない子がほとんど。それは自分もそうでしたし、仕方がないことで。でも、15歳時点では日本代表でも今後高校、大学と成長していく上で、考える能力は必要になってきます。ですから考える習慣がついてほしいな、と」

 もし今の自分が指導者として、浦和学院時代の自分に教えることがあるとすれば、やはり「考えて野球をしなさい」と伝えるという。

 「これは野球に限ったことではありませんが、漠然としてではなく『なぜ』をいつも考えながら動くことで考える習慣をつけることがたいせつだと思います。当時の僕が聞き入れるかどうかは疑問ですけど(笑)。教える側としては、なぜそれをすべきなのか、目的までしっかり伝えたいと思いますね」

 話を聞いていて印象的だったのは、「僕の場合は」「他の人はどうかはわからないですけど」という言葉を端々に挟み込んできたことだ。今回の取材記事は、主に高校球児が読むと予想して、自分が言っていることはヒントにはなっても、必ずしも正解ではないということを気にしての配慮だったのだろう。指導者としての気配りがそこには見えた。

 そして気づいたことがもう一つ。清水氏は怖さを自覚し、それでも向き合う勇気を持つことでプロでの成功を収めた。ともすると、怖さと弱さは同義にされかねない。しかし、怖さを認めることは、決して弱さに直結するものではない。怖さに対して目を背け、逃げることが弱さであって、逆に怖さに対して真正面から向き合うことは強さになる。その点を自覚できれば、その先に清水氏が至った境地が見えてくるかもしれない。正解を導き出せるのは自分しかいない、と達観する境地に。

文=伊藤 亮

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プロフィール

清水隆行
清水 隆行(しみず・たかゆき)
  • 浦和学院[/team]-東洋大学-読売ジャイアンツ
  • ポジション:外野手
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